内容説明
年上のあの人を追って、18歳のカヲルは海を渡る。期待と続望の間を行き来する、狂おしくもどかしい恋―。そんなある日、手強すぎるライバルが、突然現れた。親子四代が弄ばれた悲恋の運命に、カヲルは天性の美声を武器に立ち向かおうとするが…。恋は遂に、叶うのか?『彗星の住人』に続く、「無限カノン」第二部。
著者等紹介
島田雅彦[シマダマサヒコ]
1961(昭和36)年東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。在学中の83年、『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー、新世代作家の登場と注目を集める。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞を、92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
聡子
5
少しずつ謎が解けてきた。カヲルと不二子の秘密の約束だけが救い。2018/12/10
くれの
4
壮大な恋愛小説です。胸が苦しくなるほど狂気的な純愛性は小説でしか疑似体験できません。恋物語の王道かもしれませんがすれ違いのもどかしさやライバルの登場にハラハラします。人に愛される美しい魂を持っていたいなと願いました。2013/10/11
ミプリン
3
子供の頃からの憧れの女性を追いかけてアメリカへ。そこで気持ちが通じたようなそうでないような。恋愛の期待と不安、乗り越えるにはあまりにも大きすぎる障害。皇太子妃問題が出てくるとは驚きだったが、結ばれなくても心が繋がっていれば納得できるのか?美しい魂の二人なら。三部作らしいので前後の作品も読みたい。2013/08/04
ロイヤルミルクティ
3
無限カノン3部作の2作目。『彗星の住人』の続きです。お話はカヲルと不二子さんの恋の行方もろもろ。前作に引き続き、恋を核に据えて、一族の運命や自由であることを問うている書き方はとっても好きですね。2004/06/20
eneo
3
。『彗星の住人』の最初に三島由紀夫『春の雪』の最後の方が引用されているんですが、そう、カヲルと不二子の恋愛はまさに『春の雪』っぽいし、と読んでいて思いましたです。 2008/12/19