出版社内容情報
唯一無二の主人公、再び。その前途、誰にも予測不能! 成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応えますますパワーアップの全5篇!
内容説明
唯一無二の主人公、再び。…と思いきや、まさかの事件が勃発!?我が道を突き進む成瀬あかりは、今日も今日とて知らぬ間に、多くの人に影響を与えていた。「ゼゼカラ」ファンの小学生、成瀬の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくして生まれた女子大生…個性豊かな面々が新たな成瀬あかり史に名を刻む。そんな中、幼馴染の島崎が故郷に帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており…!?
著者等紹介
宮島未奈[ミヤジマミナ]
1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。2023年同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビュー、10万部を突破し話題になる。本書はその続編にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1262
5つの短篇から構成。5篇すべて成瀬が主人公。今回、島崎は影が薄い。巻頭の「ときめきっ子タイム」では、二番煎じ、柳の下のドジョウという気もしていたが、二つ目の「成瀬慶彦の憂鬱」あたりからは、徐々に成瀬らしさが出てきて、「やめたいクレーマー」からはもう全開の成瀬オーラである。続く「コンビーフはうまい」も何度も笑ってしまう。もちろん、成瀬本人はいたってクールだ。それは巻末の「探さないでください」でも全く同様。つまり、成瀬本人はいたって真剣なのだが、それ故に周囲の普通が浮き上がってしまうという構造なのだろう。2024/10/06
starbro
1127
成瀬第二弾は、予測不能な連作短編集でした。オススメは、表紙絵の「コンビーフはうまい」&「探さないでください」です。 次は、京大生になった成瀬あかりの長編を読みたいです。 本書で、近江と遠江の由来を知りました。 https://www.shinchosha.co.jp/special/naruten/2024/02/14
青乃108号
1105
某「名探偵」シリーズ続編では失望させられたので一抹の不安はあった、成瀬2作目。杞憂でありました。成瀬のその後を活写した短編5編。成瀬の姿を思うと何故か背筋がピンとする気がする。普段はベッドで寝ながら本を読む横着な俺だけど、この本はそんな事は出来なくて、ちゃんと座って読みました。姿勢を正して。1作目で語られた、成瀬の夢が幾つあったかは憶えていないけど、そのうちの1つ、「紅白歌合戦出演」を果たした成瀬。まさか本当に200歳まで生きる事はないだろうけど、まだまだ成瀬のこれからを見届けたい。続編を強く希望します。2024/03/20
キ♡リン☆か
1066
前作の成瀬に興味を持ち、続編もすぐに手を出してしまいました。相変わらずな行動派で、そしてまた違う成瀬が出てききましたね。この作品はほんとテンポが良くて颯爽と物語がかけて抜けていくイメージがあります。そして、その時々起こる出会い、事件などすべての内容が非常に面白く、良く練られていて、今回も一気読みしてしまいました。今回も最後の家出のところは秀逸でした。意外に万引きのところの一連の話も好きです。クレーマーになってしまった主婦の話なんて考えたこともなかったので、そういった人もいるんだと新しい発見もありました。2024/06/20
キューカンバー
1034
5つの短編から成る連作形式。最後の「探さないでください」が秀逸。これを最後に置くことで全体の完成度が一気に上がりました。この作家の長編も読んでみたいと思わされました。楽しく読了しました。2024/01/31