内容説明
１９９３～９５年、アメリカ・ケンブリッジに住み、ボストン・マラソンを走り、愛車を盗まれ、通販で猫の時計を買い、小説を書く日々。村上春樹のロード・エッセイ。カラー写真と絵満載。
目次
不健全な魂のためのスポーツとしてのフル・マラソン
テキサス州オースティンに行く。アルマジロとニクソンの死
人喰いクーガーとヘンタイ映画と作家トム・ジョーンズ
この夏は中国・モンゴル旅行と、千倉旅行をしました。ダイエット、避暑地の猫
スカムバッグ、オルガン・ジャズの楽しみ
小説を書いていること、スカッシュを始めたこと、またヴァーモントに行ったこと
通信販売いろいろ、楽しい猫の「食う寝る遊ぶ」時計
わざわざこんな忙しい年末に、車を盗まなくたっていいだろうに
なにしろ雪のボストンから一路ジャマイカに行かなくては
ジャック・ライアンの買い物、レタスの値段、猫喜びビデオ
どうしようもないタニヤ、猫の調教チーム、発見された詩人
コウタローの行方、子猫サーシャの数奇な運命、またまたボストン・マラソン
理不尽に襲われたアヒル、懐かしい匂い、ランゴリアは怖いぞ
生きていたコウタロー、アルバトロスのリスキーな運命、タコの死にゆく道
猫のピーターのこと、地震のこと、時は休みなく流れる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
40
『やがて哀しき外国語』の続編。 読んでためになることはない、暇つぶしにもってこいの素晴らしいエッセイ。味のあるよい写真がたくさん掲載されています。奥さんが撮影したもののようです。村上さんの長編はこだわりがあって好きですが、エッセイはもっと好きです。2019/11/10
りなお
35
図書館本。村上春樹さんは高校時代から好きでよく読んでいる作家さんの1人ですが、エッセイを読むのは初めてでした。文章は小説よりもスルスルと読みやすく、私の村上春樹像とは違ったら穏やかな（？）一面が垣間見え嬉しい発見でした。とは言ってももう25年以上前の作品なので、最近のエッセイもあれば読んでみたいです。2023/06/05
カレー好き
29
村上さんのエッセイ。マラソン好きな私はどうしてもボストンマラソンの話が興味深く、共感するのですが、通信販売で購入の村上さんのお気に入り品は写真付きで、見る限りセンス良くさすがな感じ。盗まれた車と酷い対応の保険会社の女性も印象的。長編を描く時は、外国に缶詰になって、一切の交流を絶ちルーチンを守った生活を送るという。羨ましい限りです。あ、猫の写真も可愛いです。2022/05/29
キク
24
「ねじまき鳥クロニクル」執筆時期のエッセイ集。「やがて悲しき外国語」の続編で、海外での生活と猫について書かれている。ねじまき鳥が重厚な長編小説だった反動で、こちらは肩の力が抜けたテイストになっている。今の僕の考え方って、多分春樹さんのエッセイにモロに影響されてると思う。そりゃ、30年も熱心に読み続けてたら、影響を受けないわけがない。考えてみると、僕が今2匹の猫を飼っているのも、絶対に春樹さんからの影響だと思う。この本の執筆時期の春樹さんと、今の自分が同年代だという事実が感慨深い。2021/01/01
図書館小僧
11
村上春樹のエッセイよかった。小確幸（ささやかで確かな幸せ）を見つけながらのんびり暮らしている様子を読んでると、つられてのんびりした気持ちになる。村上春樹の文体とユーモアは何気ない日常の話と親和性が高いんだなぁ。 村上春樹の奥さんが撮った近所の写真も味があってよかった。2021/06/11
