出版社内容情報
40年前に撮影した幻の名作をデジタル技術で復刻。4カ月もの間、太陽が昇らない地球最北の村に暮らす人々の日々を伝える写真絵本。
内容説明
朝がこない極北の村。冬の4ヶ月間は太陽が昇らない「極夜」が続く。マイナス40度の、闇の中で生きる村人たちの営みを記録した、貴重な写真のタイムカプセル。40年前に撮影した幻の名作をデジタルリマスター。
著者等紹介
中村征夫[ナカムライクオ]
1945年秋田県潟上市生まれ。19歳のとき神奈川県真鶴岬で水中写真を独学で始め、31歳でフリーランスとなる。1977年東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で逞しく生きる生きものに感動、以降ライフワークとして取り組む。報道の現場の経験を生かし、さまざまなメディアを通して海の魅力や海をめぐる人々の営みを伝えている。第13回木村伊兵衛写真賞、第26回土門拳賞、日本写真協会年度賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるわか
27
1977年秋、地球最北の村グリーンランド・シオラパルクで1ヶ月間、エスキモーたちの暮らしを撮った写真集。4ヶ月間太陽が顔をのぞかせることがない極夜がシオラパルクを漆黒の闇で包み込む。犬橇、毛皮。マッタちゃんとトクミンゴちゃんの姉妹。2018/01/24
チェアー
16
当たり前だけど、機材があっという間に凍りつき、明かりもまったくない極夜では撮影はかなり難しい。ハプニングもあるなかで、中村さんは1ヶ月間極地に滞在し、暮らしぶりを写真に収めた。子どもがすごく愛らしいのが印象的だった。植村直己や角幡唯介の世界を理解するための視覚的な助けにもなる。2018/09/24
みのにゃー
7
中村征夫氏と言えば海の生き物の写真を撮られるイメージだが、この写真絵本は40年くらい前に氏が報知新聞社から依頼を受け撮影したものだそうだ。白夜の反対、太陽の見えない極夜。極夜の中シオラパルク(エスキモーの村)の人たちの記録。アザラシやウサギ等の毛皮を加工した服や靴。命を託す犬。人懐こい子供たち。自然との共存を体現。現在のシオラパルクは発電所が作られ電気が使えるそうだ。どのように変わったか興味がわく。2020/06/25
猿田彦
5
今から50年ほど前、グリーンランド・シオラパルクという地球最北の村で、極夜の1か月間撮影された貴重な写真集です。気温は-35度からー40度。カメラテストなど事前準備も大変だが今より情報の少なかった時代、その地に赴くには大変な決意を必要としただろう。当時はランプ生活で軽油ストーブを使っていた。極寒の地域では、犬はペットではなく鞭で叩いて叱ることも有ると言う。犬が橇ごと帰ってしまえば、ライフルもなく白くまと遭遇することも有る道を何時間も、何日もかけて帰らねばならないから甘やかしは生死に関わると言う。→ 2023/09/09
がんぞ
1
グリーンランドは213万平方km世界最大の島でデンマークの主権下にあるが1979年エスキモー語を公用語とする自治政府が設置された/本書は1977年取材。巨大な冬の4ヶ月は全く太陽が見られない生活/銀塩写真機しかない時代、外でうっかりカメラのファインダーに目蓋が触れるとたちまち凍りついた。外気に触れるとフィルムはカミソリよりも鋭い刃物となる。化繊もプラスチックも凍って用をなさない。毛皮だけが/犬橇(現在、スノーモビルに替わったが)、は燃料いらず(獲った獲物の一部を与える)、セイウチの皮で作った鞭で指図する2023/11/07