フラウの戦争論

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  • サイズ B6変判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103513322
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

古典的名著『戦争論』はなぜ書かれたのか? 著者クラウゼヴィッツと妻の対話を通じて、戦争の諸相と執筆の裏側に迫る大型小説誕生!

内容説明

ナポレオンの猛威も去った1818年ベルリン。プロイセン陸軍クラウゼヴィッツ少将は、士官学校校長に任ぜられたのを機に「戦争の正体」を明らかにする論文の構想を練っていた。貴族出身の聡明な妻マリーに戦争の実体験と教訓を語るうち、彼の目に見えてきたものとは?名著誕生の裏側を描く全く新しい歴史小説。ナポレオン戦争6つの戦場から『戦争論』への思考を辿る大型戦記。

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評価

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

如水

34
作者3作品目は19世紀初頭、フランス革命の申し子、ナポレオンが巻き起こした「ナポレオン戦争」を後年クラウゼヴィッツが回顧しながら自分が推敲している「戦争論」を重ね合わせる…と言う話です。中々斬新でしたよ。『戦争論』って今の僕らには『?』な解釈も有りましたが、この本を読んで納得出来ました👍キーは章毎に有る題、「衝撃・対話・芽吹き・狐・飼い犬」です。全てこれに帰結すると言う話のオチが面白い(何がオチなの?と言うのは読んでからのお楽しみ🤫)。登場人物横文字苦手な僕でも分かりやすい西洋史でした。2020/04/06

イトノコ

29
図書館本。1818年。プロイセンの士官学校長に就任したクラウゼヴィッツ。ナポレオン戦争の6つの戦場の回想と、妻とのやり取りから、戦争論執筆の舞台裏を描く。/6つの戦場の描写が克明で、純粋な戦記物として楽しめた。佐藤賢一さんの「ナポレオン」の敵方を覗いたような気分。同時に、論文以外ではヘタレなクラウゼヴィッツと妻マリーの夫婦漫才が緊張を和らげ、テンポよく読むことができた。不世出の天才ナポレオンや部下、そしてその敵たちもひとつの戦場すら掌中に収めることは出来なかった。その掴めなさこそが戦争なのかも知れない。2020/07/13

rosetta

27
★★★✮☆『戦争論』の作者クラウゼヴィッツがナポレオンとの戦いとその記憶を物語る。シャルンホルストが産みグナイゼナウが育てた(そしてモルトケに受け継がれる)プロイセンの集団的戦争遂行決定組織、参謀の仕事を纏めた10数年かけた心血を注いだその論文を、夫の死後に出版したフラウの物語でもある。先日佐藤賢一の『ナボレオン』を読んだばかりなので敵方からの視点は全く印象が違っていて面白かった。戦争のあり方、政治や外交との相応しい関係、時代によって変わっていく様態や役割等、永遠の課題であるしその道の必読図書であるなぁと2020/03/25

サケ太

25
歴史に残る夫婦の絆の一つの形。『戦争論』といえば、その名前だけは聞いたことがある戦争と軍事戦略について書かれた物。ナポレオン戦争時の6つの戦場と著者であるカール・フィーリプ・ゴットリープ・フォン・クラウゼヴィッツとマリー夫婦の“現在”を交互に描き、『戦争論』の創られる過程を描いていく。大敵ナポレオンや師であるシャルンホルスト、友のグナイゼナウ、頑固である種真っ直ぐなブリュッヒャーなどの軍人らの苦闘。戦争という一人の手ではコントロール出来ない出来事を解析しようとした男とそれを支えた妻の子。凄く面白かった。2020/02/29

泰然

18
荘厳な命題ながら時代小説として描き切った著者の胆力は見事なものだ。君主と貴族が手段として起こす戦闘を、愛国心と国民軍を基盤とする「総力戦争」に変化させたナポレオン。この戦争を我が身で感じ、戦争の本質に迫ろうとしたプロイセン王国の軍人クラウゼヴィッツと彼を影で支えた妻で、元宮廷女官長のマリー。敵対感情の相互作用、戦闘力の粉砕、敵への準備をしようとする相互作用。哲学的で難解な『戦争論』だが、本書は絶妙の匙加減にて、聡明だがお嬢様な妻と、論理の追究以外はポンコツの夫を描き、近代軍事学の誕生の舞台裏を温かく語る。2020/04/04

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