出版社内容情報
退屈な日常に絶望する高校生のカヤの前に突然現れた、まばゆい光。それは、爪と目しか見えない異世界の少女との出会いだった――。
内容説明
平凡な日々に飽き飽きとして生きる高校生のカヤ。16歳の誕生日を迎えた直後、深夜のバス停で出会ったのは爪と目しか見えない異世界の少女だった。真夜中に邂逅を重ねるうち、互いの世界に不思議なシンクロがあることに気づき、二人は実験を始める―。ああ、俺は、あの子の、英雄になれるじゃないか。大ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が描く、初の恋愛長篇!
著者等紹介
住野よる[スミノヨル]
高校時代より執筆を開始。2015年に刊行したデビュー作『君の膵臓をたべたい』が大ベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
201
あの時の想いの強さを、重さを、激しさを。心の中で描けない・・俺・カヤ「だから今、その自分の心と大切なものに恥じない自分でいたい。」紗苗の言葉が私をも包む。全ての経験や湧き上がる感情の一つ一つで今の私が在る。人は0からいっぺんに100にはならないよね。艱難辛苦やささやかな幸せの『今』を積み重ね、ふと振り返ると「ここまで来た。」と感じるのだと思う。もどかしさと危うさに溢れたカヤのそのほとんどを、静かに見守った感じの読書だった。多分チカのいるそっちの世界でも、別の私がきっとチカを見守っているような気がする。2020/11/03
遥かなる想い
144
ひどく冷めた 高校生カヤの恋の物語である。 夜のバス停の待合室での不可思議な チカとの交流が微笑ましいのだが… 時が流れて、31歳になったカヤと 同級生斎藤の ヒリヒリするような 恋が 著者らしい。忘れることの意味を ありがたさを再確認させてくれる、そんな作品だった。2021/02/19
ムーミン
121
ちょっと時間をかけて読みました。カヤにいらっとしたり、よかったなと思ったり。終盤に来て涙が流れてしまいました。「だから今、その自分の心と大切なものに恥じない自分でいなくちゃいけない。そうでいたい。悩んで苦しんで今を積み上げていくことしか出来ない。」なんか、『君の膵臓を食べたい』と重なってしまいました。2021/02/11
美紀ちゃん
115
高校の時の恋愛が大人になってもずっと輝いていて大切で新しく出会った素敵な人に、「恋愛できない」と告げるが、だんだん消化されて「この気持ちもいつか忘れる」と、そういうことかな? 「見つからないように」誰から? カヤは男の子?女の子? お兄さんは弟と思っているらしいが、チカへの自己紹介では女と。そして「俺」と自分を呼ぶ。田中は男?女?(女の子でもっと素敵な名前があった!) 謎だらけ。 モヤモヤ、イライラ。 でも完読!2020/12/30
ベイマックス
100
住野よるさんの物語としては意外に感じながら読み進めました。主人公の香弥のチカへの想い入れの心境がいまいち分らなかった。紗苗の存在も都合が良すぎる気がしなくもなく。全体的に意外な作風でした。2023/07/16