北海タイムス物語

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103300731
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

破格の低賃金、驚異の超過労働、超個性的な同僚。でもこの会社が、僕に立ち上がる力をくれた――『七帝柔道記』に続く熱血青春小説。会社の愛し方、教えます――ダメ社員の奮闘を描く、共感度120%の熱血青春小説! 全国紙の採用試験に落ち、北海道の地方紙に入社した記者志望の野々村。破格の低賃金、驚異の長時間労働、超個性的な同僚たち……しかし、新たな世界での出会いが彼を変えていく。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』『七帝柔道記』の著者が、休刊した伝説の新聞社を舞台に仕事人たちの魂のぶつかり合いを描く、お仕事小説の新たなる金字塔。

増田 俊也[マスダ トシナリ]

内容説明

平成2年。全国紙の採用試験にすべて落ち、北海道の名門紙・北海タイムスに入社した野々村巡洋。縁もゆかりもない土地、地味な仕事、同業他社の6分の1の給料に4倍の就労時間という衝撃の労働環境に打ちのめされるが…会社存続の危機に、ヤル気ゼロだった野々村が立ち上がる!休刊した実在の新聞社を舞台に、新入社員の成長を描く熱血お仕事小説。『七帝柔道記』の“その後”を描く感動作。

著者等紹介

増田俊也[マスダトシナリ]
1965年生まれ。北海道大学中退。愛知県立旭丘高校から七帝柔道に憧れて北大に入学。4年生の夏の七帝戦を最後に引退し大学を中退、北海タイムス社記者に。2年後に中日新聞社に移る。中日在職中の2006年『シャトゥーンヒグマの森』(宝島社)で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞しデビュー。2012年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で大宅賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。2013年、北大時代の青春を描いた自伝的小説『七帝柔道記』(KADOKAWA)で山田風太郎賞最終候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びす男

95
経営難の地方紙に就職してしまった新人記者が主人公。青臭くて、暑苦しくて、古くさい。会社は火の車なのに、彼らが語るのはジャーナリズム論や理想論ばかり。おいおい、北海道みたいな片田舎で、そんなことばかり吐いてて大丈夫か...。でも、彼らは血を吐く覚悟で活字を駆使して歴史を刻む。朝毎読がなんだ、彼らも立派な新聞人だ。作中の絶叫が耳にこだまする。「自分から土俵を降りるんですか!俺はどの新聞社にも負けたくない!」。冷静に急げ、大胆に細心に。誇りをもってニュースを届け続ける。さながら、新聞記者の「赤ひげ診療譚」だ。2017/05/08

のぶ

88
とても熱い小説だった。ジャーナリストの物語は他にも読んでいるが、本作も新聞社に対しての情熱が伝わってきた。主人公、野々村巡洋は就職先に、あちこちの新聞社を落ち続け、札幌で北海タイムスという新聞社を選ぶが、そこは年収200万、眠る時間もろくにないブラックな会社。この壮絶な生活がこの本の読みどころ。「七帝柔道記」の作者だけあり、体育会系の描写が迫力いっぱい。また時代がバブル時代を描いていて、当時の事件や風俗が読んでいてとても懐かしかった。全編が熱血で、やや単調な印象を受けるがとても面白い本だった。2017/08/11

ゆみねこ

75
増田俊也さん、初読み。新聞記者に憧れ、何社も受けて唯一合格出来た「北海タイムス社」。新入社員の野々村は、2週間の研修期間のあと「整理部」へ配属に。意に染まない部署でグチグチ悩み、しかも会社は経営難で激務の上に給料は信じられない安さ。権藤さんと心が通い合ってからの野々村の成長はとても読みごたえがあったのですが、そこまでの流れが読んでいてイライラ。2017/07/08

どんぐり

70
かつて北海道には、「北海道新聞」の“道新”と「北海タイムス」の“タイムス”の2つの地方紙があった。それがいつのまにか、道新と全国紙の朝毎読が残って、北海道からタイムスが消えた。いまでは、国道沿いの朽ち果てた新聞販売店の看板で名前を見かけるくらいである。あの新聞社が、いったいどうやって倒産に追いやられたのか非常に興味があったのだが、この小説はそういうことをストレートには取り上げてはいない。新聞社の整理部に配属された若者の武者修行に終始している。新聞紙の倍尺を使っての編集作業がでてくるのが随分と懐かしい。2018/05/05

いたろう

70
ものすごい熱量に圧倒された「七帝柔道記」の著者による、かつて北海道に実在し、著者自身も在籍していた新聞社、北海タイムスを舞台にした小説。平成の初め、少ない人数で長時間勤務も、給料は大手新聞社の何分の一という北海タイムス。大手新聞社を落ちて、仕方なく入社した主人公が、記者ではなく、整理部に配属となって落ち込んだが・・・。その後の主人公が成長する姿が実に感動的。著者は2016年に中日新聞社を退職、本格的に作家活動を始めたということで、これからが非常に楽しみ。まだまだ話半ばの「七帝柔道記」の続編も早く読みたい。2017/11/06

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