内容説明
姿なき暗殺者は何に怯えてみなごろしの凶刃を振うのか!十六年ぶりに江戸の町にたつ青江又八郎を不気味な闇が覆う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
37
『刺客』から16年後、青江又八郎は40歳を越えており、藩の近習頭取に就いていた。ある日、青江は嗅足組解散の指令を江戸屋敷に伝える密命を受けた。使命そのものは秘密であるが、今回は前3回と異なり公務として江戸に向かう、半年の期限が設けられるが、嗅足組頭の佐知や旧知の江戸の人々との再会も束の間に、青江は、藩の重大な秘密についての争いに巻き込まれていく。本シリーズ最終作品であり、長年の佐知との関係に決着をつける作品となる。当時の年齢からすると武士の隠居前の、後片付け悲しく・寂しい結末になってしまった。 2013/03/31
ぶんぶん
21
【図書館】遂に、最終巻です。もう用心棒という歳ではないが、何かときなぐさい出来事に出会ってしまう性格である。用心棒、江戸の口入屋、三者三様の生き様の集大成。 おのずと、「秋」が来て「冬」になる。又八郎にまたもや難題が、どうやら、お家騒動の兆しが。用心棒時代のスピード感は無いが、歳相応の落ち着きを見せる又八郎。下町の長屋では無いが、江戸屋敷の長屋に住んでいる。それなりの役付きになっているようだ。佐知とのやり取りも変わらず、しかし、尼になるという、しかも国元の尼寺で、死ぬまで煩悩に悩まされるのでは・・・2022/02/13
鉄人28号
3
☆☆☆ 藩命による江戸での使命を果たし終え国元に帰ってから16年が経過した。時代は八代将軍吉宗の治世となっていた。青江又八郎は再び密命を帯び江戸へ赴く。女嗅足の佐知とも再会。かつての相棒、細谷とも会う。佐知と力を合わせて藩の存亡がかかる機密を調べる。文章が綺麗で描かれた風景が目に浮かぶ。武家言葉と女言葉の響きが心地よい。随所に斬り合いの場面もあり、これぞ時代小説という感じである。 2016/10/27
ひろし
2
あれから16年も経つと佐知も又三郎もいい年になって、なんとなく身近に感じられて良かった。最後はうまく収まったね。2014/12/03
きゆやすか
2
なんともさみしいラスト。2012/03/21