陰徳を積む - 銀行王・安田善次郎伝

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103260110
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

金を無造作にばらまくのではなく、生かして使う。企業と社会を支える黒子に徹するのが、銀行の役目である! 日本経済を作り出した「金融の神様」の生涯。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kawai Hideki

34
明治維新の30年前富山県の農家に生まれ、20歳で江戸に出て玩具屋で奉公し、25歳で独立して両替商を営み、やがて一代で財閥を築いた銀行王・安田善次郎の伝記。「陰徳を積む」は彼の父の教えであり、生涯、克己堅忍、勤倹力行を貫いた。東大の安田講堂や、日比谷公会堂などを寄贈するが、陰徳を旨とするため匿名で行われ、生前の寄付行為は知られていなかった。ところが世間からは「ケチ」というレッテルを貼られ、悪意のある新聞記事に苦しめられ、最期は暗殺されてしまう。本書では、安田善次郎の「陰徳」が様々な角度から再評価されている。2014/01/05

メタボン

16
☆☆☆☆ 稀代のバンカー安田善次郎。孤高の人格ゆえに理解されない面もあったようだが、日本の近代化に多大な貢献をした偉人だということに間違いはない。パフォーマンスではない真の善行とは、と考えさせられる。今の平成の時代にこのような大人物はいるのだろうか?著者の文章は非常に読みやすかった。2014/11/22

baboocon

8
安田財閥を一代で築き、晩年には当時の国家予算の1/8にも匹敵する資産を築いた男・安田善次郎の伝記。「陰徳を積む」というタイトルの通り、目立たない所での善行と比類なき克己心という人物像が描き出され、総じて好意的な書きぶりとなっている。しかし陰徳の裏返しとして表立っては私生活の吝嗇ぶりやお金を正しく使おうとするあまり寄付にも難渋を示す一面もあり、それが災いして暗殺という非業の死を遂げる。社会インフラの整備事業等大きな視点で日本社会に多大なる貢献をしながら誤解を招きがちだったその人生は少し切なくてホロリときた。2011/08/13

koji

6
富士銀行に務めていた著者のリスペクト感が全編に溢れていて、好ましい長編に仕上がっています。ただサンシモン主義にまで言及し、明治以後の資本主義の勃興を謳った鹿島茂「渋沢栄一」には及ばなかったですね。私利・陰徳・吝嗇がついて回った人だけに大胆に描けなかったのかとも思いました。そうは言っても、日本型銀行家像をつくった人であり、その仕振りは大いに参考になります。本書の中では百三十銀行再建問題(何と明治の政治家のしたたかなことよ!)、長男善三郎勘当問題(見事な対処!)、浅野総一郎との友情の記述は見事なものです。2013/04/21

Hiroshi Sugiyama

5
富豪の"陰徳"に焦点をあてた本。 同郷者のサクセスストーリーは、面白いが羨ましくもある。 伝記物だが、人柄が良く判り好感が持てた。 郷里で聞いてた人物とは、大分異なる印象。2013/06/20

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