出版社内容情報
わたくし桑田真澄、早稲田の大学院で1年間本気で勉強させて頂きました。
あの大投手が、大学院での渾身の研究成果を明らかに! 研究テーマは、「野球道」。後輩いじめ、体罰、長時間練習……。日本野球界の悪しき伝統は、いつどのようにして生まれ、広まっていったのか? 担当教授との対話から、日本野球の根源的問題をえぐり出す。野球の未来はどこにあるのか? 超刺激的&画期的考察!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hammer.w
29
桑田真澄さんが早稲田大学院で野球を学問として学び、野球道を再定義した。野球道を最初に定義した飛田穂州(とびたすいしゅう)や正岡子規が野球好きで名キャッチャーだったことなど、歴史深く研究している。野球は出会いによって多きく変わる。清原さんと出会ったことで、マイペースで長所を生かし、陰の努力を惜しまず運を貯金できる選手になった。息子のMattさんを見ても立派に人間を育てていると思う。新たに定義した野球道「スポーツマンシップ」(練習の質の重視、心の調和や尊重)を指導者に意識して読んでもらいたい。2020/09/09
tatsuya
25
読み進めていくうちに桑田さんから対談者の平田教授の方に興味が移っていった。平田教授はJリーグを創設した人物。教授が掲げるスポーツビジネスと選手経験の逆台形モデルに深く頷いた。ピラミッドではなく逆台形であるという捉え方は盲点だと思う。これに気づけている人は少ない。2017/02/21
小木ハム
13
桑田さんの本はこれで三冊目。プロ引退後、早稲田大学院に入学して行った研究について、元日本サッカー協会専務理事の平田さんとの対談でお披露目という形。アンケートを受けた選手たちの半数以上が体罰、後輩いじめ、長時間練習(最高9時間)、絶対服従といった悪しき慣習に遭っている。実績ある方がこうして『意味ないよ』と声を上げてくれることによって、野球に限らず非合理的な慣習を見直していってほしいと思います。引退後の桑田さんの原動力は『野球への恩返し』。行くところまで行った人は、文化に対しても恩義を抱くんですね。2021/07/12
けんさき そのこ
6
桑田真澄が野球を引退して、早稲田大学の大学院で一年学んだ時のゼミの先生である平田氏と本人の対談である。これを読むと桑田の哲学がまっすぐに伝わってくる。そして、非常に共感することが多い。生きて行く上で、誰しも哲学的に考えていければ、どんな状況も変えていけるし、乗り越えていけるのかなーと思えた。小さな努力が運を開く。真摯な態度が大事。日本の教育にも足りないところかもしれない。2013/08/04
みなみ
6
桑田さんと平田教授の対談形式なので読みやすく、あっと言う間に読み終わる。いわゆる野球道の定義の中の「練習量重視」「絶対服従」は悪いサラリーマン文化と近いと思う。桑田さんはPL時代に全体練習の短縮+個人練を中村監督に提案して採用されてた、とかすごいエピソードだ。しかもそこからPLはKKコンビ時代はもちろん、立浪世代も春夏連覇の超黄金期。オレも明日から3時間労働で黄金時代、、、無理か。せめて時間よりも効率を徹底重視!2011/11/05