すき・やき

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  • サイズ B6判/ページ数 155p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103196211
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

初めてのバイト、初めての着物、初めてのすき焼き、初めての恋。19歳の中国人留学生の目に映る現代ニッポン。おおらかな筆で描かれた心温まる物語。

内容説明

21歳の中国人留学生・虹智は、日本人と結婚した姉のきびしい監督のもと、高級すき焼き屋でアルバイトをはじめる。紐だらけの拘束着みたいな着物。リズムが肝心な肉の焼き方。わけありの常連さん。スマートな店長…。留学生仲間の韓国人・賢哲に猛攻勢をかけられても、虹智は、ただただ店長にひかれてゆく。すき焼き屋でくりひろげられる老若男女の人間模様を、おおらかな筆で描きだす、心あたたまる物語。

著者等紹介

楊逸[ヤンイー]
1964年、中国ハルビン生まれ。87年、来日。95年、お茶の水女子大学卒業。2007年『ワンちゃん』で文學界新人賞受賞。08年『時が滲む朝』で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

385
中国からやって来た留学生、虹智の目を通して垣間見た日本社会の断面を描く。彼女の周辺にいるのは、日本人男性と結婚して日本に住む姉の思智、虹智に想いを寄せる韓国人留学生の柳賢哲、逆に虹智が密かに想っているアルバイト先「なごん庵」の店長、そして先輩女性たちと、お店のお客たちである。小説は文化摩擦でも、まして文化衝突でもない、いわば文化受容といった展開に終始し淡々と描かれてゆく。したがって、そこでは何ほどのことも起こらないし、ただ東京の片隅で普通に時間が流れてゆくのである。2022/07/25

じいじ

100
 まずもって装丁が粋でステキです。肝心の中身もユーモアに溢れた心温まる面白い物語です。主人公は21歳の中国人留学生・虹智。日本人と結婚した姉の家に居候して、大学へ通いながら田園調布の高級すき焼き屋でアルバイトに精を出します。店の制服は初めて着る和服。日本人でも難しい和式の礼儀作法、違和感のあった背筋を伸ばしての小走りも日ごとに上達。その努力の姿がなんとも可愛いです。来客と織りなす人間模様が丁寧に温かい筆致で綴られています。そんな虹智にも恋心が芽生えます…。ほっこりとした気持になるお薦めの物語です。2016/07/06

あすなろ

95
すきやきを虹智ちゃんに作って貰いたいと思ってしまう作品。正直、どうってことのない作品だとは思う。しかし、すきやきと共に描かれる虹智ちゃんの心は、読者の心を惹きつけるのである。虹智ちゃんも、そのうち割下のような甘辛く濃厚で脳が忘れられない恋をして大人になるのでしょうね。2017/02/12

Shinji Hyodo

86
すきやき…美味いですよねぇ(^^)何故夏に食べないのだろ⁇暑いからか室温20℃くらいに冷やせばいけるんじゃないかな。世田谷の高級すきやき店でバイトを始めた中国人女子留学生の割と可愛い体験記を流暢な日本語で綴った物語。慣れない着物の着付けや、料理の給仕に纏わる日本の礼儀作法。すきやきを美味しく提供するタイミングや常連客とのエピソードに韓国人同級生との噛み合わない会話と恋模様。居候先の姉夫婦の怪しい雲行きなど絡めつついただくすきやきと夜のしじまの何と饒舌な事か…by城達也(゚O゚)\(- -;2016/08/19

chimako

74
表紙が良い。火鉢にかかった鉄瓶と五葉松の盆栽と椿と福助。高級牛鍋料理屋なごん庵にあるものだろうか。色合いも刺繍も美しい。中国人留学生虹智が大学に通いながらなごん庵でバイトをする。着物の着方から足の運び方、挨拶に礼儀作法など自国の文化とは違う日本の高級料理屋独特の流儀や立ち居振舞いを覚えながら仕事に励む。いつも違う男人と来店するヒジリちゃんやご夫婦で楽しそうな横山さんとも客と店員として関わり合う。大学の友人たち。姉夫婦の不穏。そして小さな恋心。韓国からの留学生柳くんの強い押し。どうする、虹智ちゃん?2021/11/10

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