知覧からの手紙

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103050711
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「会いたい、話したい、無性に」。自分のことは忘れろと諭しながら、遺書の最後に未練を綴った特攻隊員。残された婚約者が、今なお「彼」を想い、語り尽くした。

内容説明

終戦直前、挙式を間近に控えていた穴沢利夫少尉は、知覧から飛び立ち還らぬ人となった。婚約者へ宛てた手紙では、自分のことは忘れて幸せに生きよと綴りながら、最後に、ほとばしる感情を吐露していた―「智恵子会いたい、話したい、無性に」。戦後六十二年。残された婚約者が、今なお穴沢さんを想いながら語り尽くした貴重なノンフィクション。

目次

第1章 出会い―図書館から戦場へ
第2章 覚悟―マフラーになりたい
第3章 婚約―たった一晩の子守唄
第4章 特攻―あなたを辿る旅

著者等紹介

水口文乃[ミズグチフミノ]
1972(昭和47)年生まれ。明治学院大学卒業後、出版社勤務などを経て、現在フリー記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shincha

25
図書館本です。読友さんのレビューを拝見し、図書館に予約を入れましたら、すぐに借りることができました。まえがき部分からすでに涙腺が緩くなりました。愛する人たちを純粋に守るためと信じて、敵艦に突っ込んでいった20歳そこそこの若者たちの実像を智恵子さんという元婚約者の口から語らせると、遠い昔の話ではなく、実際についこの間、起こったことであると実感する。出撃前に書かれたと思われる最期の手紙は涙なしに読むことは出来ない。今ある私たちの幸せな生活は、このような方々の犠牲の上にあることを忘れてはならない。2020/09/21

さと

17
【実家にあった本】戦争を知らない世代の自分が感想を書いて良いものか迷いましたが、この年代、この時期に読んだ記憶として残しました。年代問わず読み告がれていくべき一冊だと思います。自分と同年代又はもっと若い年代の方にぜひ読んでもらいたいです。特攻隊を国のために散っていったと一言で美談とするのではなく、本書を通じて、戦時中であっても人を愛すること、どの様な気持ちで日々を送っていたのかを直に感じ取ってもらえたらなと思います。特攻隊に関する小説や映画など多々あるかと思いますが、個人的には、本書が一番心に響きました。2014/03/09

mimm

11
戦争がいかに悲惨なものか、時と共に美談にされることもある戦争の話を、間違った事実が伝わらないよう語られた一冊。特攻隊員の「婚約者」だった女性が、当時の状況・胸の内などやり取りされた手紙と共に語り継いでます。【戦争中の一人の女性の恋愛の記憶】的な感じで、厳しい軍隊物でもなく、かといって恋愛もすれ違いなのがおや?という感じでした。やっぱり亡くなった方の手紙はきつい!自分に都合よく修正されないもの。後半、涙が止まらなかったです。辛い記憶を教えてくださって有難うと、そう感じでなりません。2012/09/15

来訪者

10
あまりにも悲しい話です。靖国への帰還の際もそうでしたが、実際この時代に生まれていませんので軽々しく何かを言える程の体験があるはずもなく、知識も教養も大して持ち合わせていません。「特攻の町」何となくはしっているつもりでした。現代において普通にできる事が特別なことであり又それを叶える事が出来ない残酷さ。読書でこれほど感情移入したのはいつ以来だろう。もっと多くの方に読んでほしい一冊です。2012/01/24

ゆみねこ

10
戦争というものがなかったら、結ばれていた2人。あまりにも残酷な時代に純愛を貫いた姿に涙が止まりません。最後に遺した手紙のほとばしる感情が切ない。若い人にこそ読んでもらいたい本。2011/07/20

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