出版社内容情報
泣いてるのはたぶん、自分の無力さに対してだと思う、わかんないけど。海辺のちいさな部屋で。もう二度と訪れることはないかもしれない東京で。延々と改装工事が続く横浜駅の地下通路で。そして、タイの洞窟にサッカー少年たちが閉じ込められていたあの夏、きみは部屋から姿を消した。どうしようもなくこんがらがっていく世界を生きるわたしたちの姿を演劇界の気鋭が描きだす、15年ぶり待望の第二小説集。
内容説明
バンコクでほんとうに革命が起きる、それがブロッコリー・レボリューションという通称で呼ばれるようになったのだった、とかだったらいいのに。第35回三島由紀夫賞受賞作。演劇界の気衛が描く、この世界を生きるわたしたちの姿。15年ぶり待望の第二小説集。
著者等紹介
岡田利規[オカダトシキ]
1973年横浜生まれ。演劇作家、小説家。主宰を務める演劇カンパニー・チェルフィッチュでの独特な言葉と身体の関係性による方法論や現代社会への批評的な眼差しが評価され、国内外で高い注目を集める。2005年「三月の5日間」で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。08年、初の小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第2回大江健三郎賞を受賞。海外での評価も高く、16年よりドイツの劇場レパートリー作品の作・演出を複数回務める。20年、タイの小説家ウティット・ヘーマムーンの原作を舞台化した『プラータナー:憑依のポートレート』で第27回読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞。近年は能・狂言の現代語訳や形式を用いた作品も手がけ、21年、戯曲集『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』で第72回読売文学賞戯曲・シナリオ賞、22年、同戯曲で第25回鶴屋南北戯曲賞を受賞。同年、「ブロッコリー・レボリューション」で第35回三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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