出版社内容情報
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――表題作はじめ、人生の岐路に起きる切ない謎を描いた「非日常」ミステリ短編集。
人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。期待の若手が放つミステリの至芸! 人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生!
内容説明
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。2011年、『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
2057
図書館の予約に大幅に出遅れて半年以上待ってようやく読めました。ミステリというよりもミステリ色のある物語集といった感じです。このミステリーがすごい! 他数々の受賞作だけあってどの短編も読ませます。6編の中では「柘榴」が一番のオススメです。2015/07/29
遥かなる想い
1889
2015年度このミス国内第1位。 極上のミステリー短編集 だった。 事件を描くというよりも、 「人間の哀しさ」を見事に 書き込んでいる。 全編にわたる、まるで感情を殺したような 描写がよい。 人間の「業」のような ものを、著者視点で骨太に 描いて、読者を引きづりこむ。 読後に物語の余韻を 楽しみながら、次の短編に ゆっくり進む楽しさを 味わうことができる… そんな良質な短編集だった。 2015/01/25
サム・ミイラ
1529
それぞれに趣の違う六話の短編集。私はまだボトルネックしか読んだ事がないが。やはりこの方の作品らしく冷静でどこか異常で違和感と不安感が横溢する物語。どれもひんやりとした肌触りのミステリーでありホラーであり、そして優れた文芸作品だと思う。後は好みになるが私は夜警と死人宿そして満願が気にいった。万灯は話としては好みなのだがロジックとしては成立していないように感じる。すぐ病院に行けば良いのに。ただ一篇柘榴は私には合わなかった。嫌いな話で読みたくなかった。これが一番米澤穂信らしいという意見が多いが…。2015/04/11
Yunemo
1444
「この余韻、いいですね」、読了後、頭の中に浮かびました。真相に至るまでのモヤモヤ感、真相を知った時の唖然とする想い。読み応え有り。6編それぞれに、人間の業というものを、いやというほど見せつけられます。全編ほの暗さが漂い、このまま読み進めてもそのままになってしまうのでは。との想いもあって、真相を知らされた際の驚き。人間の心の奥底に沈んでる「悪」が表に出てくると、こんな感じになってしまうのでしょう。暗いイメージながら、読後感は良好。こんな書きっぷりもあるんだ、納得して本当に読了。2014/10/11
青乃108号
1234
六話からなる短編集。【儚い羊たちの祝宴】はどれも似た風味の話しが続いて途中で食傷気味になったけれど、この短編集【満願】はいずれの話しもそれぞれに別な味わいがありながら、それぞれに強く惹き付けるものがあり興味深い。物語の導入良し、ひねりも効いているしオチも完璧。描かれる人物像も魅力的であり【満願】の妙子被告などは、その凛とした姿立ち居振舞いが目に浮かぶようだ。読んで決して損はしない、満足度100%の良作。のちに知ったが「このミス」など3つのランキングで首位独占も十分納得できる。2022/01/21