内容説明
面接されて登録され、派遣されて仕事する、働く僕らのリアルを描く新世代のプロレタリア文学。
著者等紹介
宮崎誉子[ミヤザキタカコ]
1972年千葉県生れ。98年「世界の終わり」で第3回リトルモア・ストリートノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
44
派遣で働いている身分としては、リアルに描いているなと感じることは多いです。それが、ユーモラスではなく、身につまされる実話として感じてしまう。男女の派遣社員を主人公に、二篇の物語。主人公の環境に登場する人物も興味深く、書かれた時代から時間は経っているけれど、何も変わらないまま、格差が広がっている。負け犬の遠吠えのような表現もあるけれど、これは現実。そして、それは何も飾ろうとしない生身の声を感じます。2018/03/04
そのぼん
36
コミカルなタイトル表紙の割には内容はそうでもなかったかな。派遣として働く人の日常を淡々と描いた感じでした。ちょっとインパクトが薄い感じがしました。2013/02/01
miyu
25
自分が現在派遣の身ということもあり、思わずそのタイトルに引き寄せられました。派遣て大変なんだなぁと他人事のように感じつつ、あっさりと読めました。派遣社員が、派遣会社にとって商品であるなら、睡魔によく敗北を期す私は、完全に返品されていておかしくない商品だと思う。そう思うと、いまの会社への感謝と尊敬の念が湧きました。話としては、派遣社員の大変さとか働かない兄との関係などは描かれているけど、その日常のひとコマを切り取った感じ。山場もなくオチもなく、という印象をなぜか受けました。2015/12/11
びすけっと
15
2009年2月刊。初出 新潮。お気に入りさんつながり。遠征先図書館本。著者も派遣社員。派遣という働き方、やはり労働力を商品と考えていると思うのです。本書にも「自分を商品だと実感したので好印象を与えられるように意識しながら喋り続けた」(p.42)とあります。働かないで小説家をめざす兄をいぶかしく思いながら派遣で働く妹、派遣先のコールセンターでたくさんの女性に囲まれて働く男性・・・読むほどに派遣で働く側に良いことなど何もないと感じました。2014/08/20
B.W.
14
装幀とタイトルが全て。登場人物に全然共感持てないし、場面が急に変わったり、とにかく読み進めるのに苦労した。苦労して読んだにも関わらず、結局何も残らない・・・今年一番のハズレかもしれません。最後の最後に残念・・・2010/12/24