感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
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ドイツを代表する作家の一人カロッサが、第一次大戦に従軍した時の日記。悲惨な戦場の様子を描きながら、澄明な美しさが感じられる内容だった。人間同士は殺し合いをしても、自然は美しい状態のままだ。カロッサはその美しさに絶えず目を向けて、空や木、植物と交感して励ましと慰めを得ている。この姿勢は私達が生きていく上でも参考になりそうだ。戦時中といっても醜いことばかりではなく、人間の善意にめぐり会うこともある。そういった経験を作者は丁寧に書きとめている。初めて読んだが、カロッサの誠実な人間性に心を打たれた。2018/03/31
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