内容説明
拘留され動きのとれないパトリックに対し、金の奪還を図り暴力も辞さない男アリシア。執拗な追手と検察を相手にパトリックが放った切り札は金の素性をめぐる、事務所ぐるみの大がかりな陰謀を記録した盗聴テープだった。欲望と裏取引の渦の中、追う者と追われる者がめまぐるしく入れ替わり、意外な犯罪の真実が炙り出される。捨身のパトリックに勝機は訪れるのか―驚愕のラスト。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
54
9000万ドル奪取と、自分が死んだと見せかけた自動車事故では、一人の人物が犠牲になっているが、FBIに捕らえられたラニガンは、親友の判事ハスキーにも代理人となった弁護士サンディにも、自分の身代りとなった人物のことでは口を閉ざしていた。やがて読み進むほどに明らかになっていく事件の全貌には驚くばかり。「過去四年間、そんなことをずっと考えていたわけか」という検事の問いかけに、思わず上巻の1章を読み直したほどでしたが、それにも増して驚いたのがこの結末。アメリカでは賛否両論のようですが、わたしは賛に一票を投じたい。2025/06/29
本の蟲
12
最上の勝ち方とは戦わずに勝つことである。盗んだ金額の大きさに命が危険に晒され、致命的な訴訟をいくつも抱えているパトリック。しかし最終目標(一度も刑務所に入らず自由になる)のため、交渉・取引を進めていく。事務所と依頼人が手にするはずだった9千万ドルの真相。偽装した死体は誰なのか。ウルトラCの逆転劇は成功するように思われたが…。現状に不満を持つ人なら、誰でも持っている失踪・やり直し願望から始まった騒動の結末。捕まった経緯は予想通りだったが、因果応報のラストは深い納得と満足感が得られて大変良かった2025/05/15
Totchang
7
一転、また一転。最後の最後まで油断は禁物でした。2016/07/21
sosking
6
上巻程の勢いは無いが、敵対する相手をやりこめて行く部分は爽快です。自分の計画通り物事が進むのは、面白いよね。でも、最後の展開は、頂けないな。こんな展開にする必要があるのかな? 2016/07/27
鈴木 千春
4
アメリカの弁護士達が皆こうなのか〜 お金にまつわる話だからか? 出てくる人々がみな金の亡者! 誰一人、心をよせて読めなかった。 こんな世界に住みたく無いな~ マァ私には縁のない話かぁ〜(笑)2022/05/11