内容説明
何だって上手くできそうで、何一つ上手くいかない１６歳の夏。ニューヨークのハイスクールに通うビリーは倦怠感に苛まれていた。真面目一辺倒の教師達、始終セックスしているアホなクラスメイト。命令と質問しかできない疲れた両親。でも、年上の大学生アルフレッドだけは煌めいて見えた…。夏の匂いと、高まる皮膚感覚の中、同性愛という“至高の関係”を始めた二人の少年を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆぽんぬ
7
ゲイ文学。モーリスみたいなのを想像していたけど、一人称でかなり読みやすかった。当時アメリカでも同性愛者は根強い差別や偏見に苛まれていたのね。性描写がかなりガッツリで、その分リアルに物語を感じられた。この時代に比べたら、だいぶ良い時代になったのではないだろうか。同性愛は精神病という認識。主人公のビリーが信頼している教師に同性愛者であることをカミングアウトしたところ、病院に行くように言われてしまう…ってなシーンが切なかった。2020/11/19
zoros
6
ゲイ文学。爽やかだった。アメリカらしい切ない話。2022/07/31
御庭番
5
BOOKOFFでみつけ、アメリカ文学ということで読むことに。 今でいったらBL？というくくりにしちゃう人もいるかもしれないくらい、2人のセックスシーンの描写はリアルでドキドキした。でも、何よりもゲイであることを自分でわかった少年の葛藤とか世間の目とか好きになった相手はカミングアウトしたくないんだなぁとか、そういう描写が苦しかった。2022/05/26
shaniku_0225
5
再読です！同性愛のお話が好きなのですが、物語を通して恋人通しの甘酸っぱい恋愛模様を感じていたのに、舞台が海辺にうつってから怒涛の切なさで、「え〜！？(;///;)」って思いながら読んでました どんなに愛し合っても『このままふたりで幸せに生きる』という方向になかなか舵を切ることができない…その幸せを許さないのは世間の目でもあるし、自分自身なのかもしれない 恋人が自身を卑下するのを黙って聞いてるシーン、「僕も異論はない」のあとに、「でも僕は彼を愛してる」が続くのは反則です、めっちゃ泣いちゃいました2021/11/23
cocca
3
恋人とは一緒に帰らないと拗ねて部屋にこもった時に思い出す幼少期のできごとと、そこから恋人の車を追いかける一連がたいへんかわいかったです。それと同性をすきになってしまったフラストレーションを水泳にぶつける感じ、読んでいるこちらの皮膚も澄んだ冷たさに浸される気持ちでした。将来的には大学生のアルフレッドが抱かれてそうです。イタリア系アメリカ人初の大統領になる夢とそれにともなう困難の前にどうか負けないふたりでいてほしい。そう思わずにいられないくらい、フラットでクールそしてたいへんキュートな主人公でした。2021/04/07
