内容説明
若い愛人が電気屋につくった借金を返すため、心ならずも再びジャガーを狩る羽目になった中年インディオは、謎の美女に導かれて異界へと足を踏み入れる…。現代の南米を魔術的リアリズムで描く表題作のほか、全長200メートルの巨大な竜をめぐる途方もないファンタジー「竜のグリオールに絵を描いた男」など、全米SF界を瞠目させた驚嘆すべき珠玉作全8編。世界幻想文学大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
15
作者お得意の中米を舞台にしたものから怪奇色ただようもの、ヨーロッパを舞台に作者の体験が二重写しになる作品などシェパードの様々な側面を味わえる好短篇集。「竜のグリオールに絵を描いた男」は巨大な竜というアイデアだけでその面白さが保証されたようなものだが、それを十分生かし切った筆力は見事。黒いジャガーの狩猟を頼まれた男の物語である標題作やナチスの医師メンゲレの話も面白いが、個人的には巻末の「スペインの教訓」が良かった。突如現れた双子の姉妹は実は…というミステリアスな設定もさることながら小説観の吐露にはしびれた。2018/09/13
ヴィオラ
7
舞台が中南米ってこともあるのかもしれないけれど、ファンタジーとかSFとかっていうより、案外シェパードさんって、怪奇・幻想小説だったり、マジックリアリズムの観点から読んでみると面白いのかもしれない…とか思ったり。 グリオールが楽しかったから読んだけど、それほど好きなタイプの作家さんではないのかも…とか思ったり。2018/12/25
ちぬ
2
表題作が一番面白かったと思う。分かりやすいし。しかし、ゲテモノ好きの僕にとってはナチスの医者がアマゾンの奥地で奇怪な研究を完成させていたというメンゲレも捨てがたい。とにかく、読む価値のある一冊。2013/01/23
泉を乱す
1
全体:△2017/04/08
bqsfgame
0
表題作のジャガーハンターが雰囲気がある。 龍のグリオールは、SFMで読んだときは退屈だったけど、中南米文学とかも読むようになってこちらの幅が広がったのか面白く読めた。2011/09/30