内容説明
12歳の娘を乱暴されたうえ、殺された母親は、不利な判決など予想もしなかった。だが、犯人擁護の厚い壁に阻まれて、裁判は思うように進まず、彼女はしだいに絶望していく。そして当日、耳をつん裂く銃声が、法廷の静寂を破った―。娘を暴力に奪われた母親の悲しみと、目前で息子を失った犯人の母の苦しみと、どちらが同情されるべきなのか?現役の法廷弁護士が提起する問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
25
邦訳が88年とだいぶ昔であるからか、不自然さが際立っている。殺人を犯し現行犯で逮捕されているような状況で、街を歩き、弁護士やら証人確保に努めていたり、法廷に銃を持ち込んだりetc。結末も納得できなかった。2019/11/22
Cinejazz
0
心神喪失により無罪となった殺人犯、その母親の意見陳述に感涙する。2016/12/06
もこちゃん
0
読んだのはもう2年前になるのか…。いまでも読んでいたときのわくわく感を覚えている。法廷劇として最高の作品だと思っている。京都の古本屋で見かけてなんとなく暇つぶしに買ったこの本をきっかけに、小説の世界に入って行こうと思った。あれから2年、今は推理モノに入り込んで読み続けているが、この作品を読んだときに感じたような楽しさを与えてくれるような作品は多くない。スペイトさんにはもっと本書いてほしかった。2013/03/23