目次
第1章 知覚とコミュニケーション―形式の再生産について
第2章 ファースト・オーダーの観察とセカンド・オーダーの観察
第3章 メディアと形式
第4章 芸術の機能と芸術システムの分出
第5章 自己組織化―コード化とプログラム化
第6章 進化
第7章 自己記述
著者等紹介
ルーマン,ニクラス[ルーマン,ニクラス][Luhmann,Niklas]
1927年ドイツのリューネブルクに生まれる。1968‐1993年ビーレフェルト大学社会学部教授。70年代初頭にはハーバーマスとの論争により名を高め、80年代以降「オートポイエーシス」概念を軸とし、ドイツ・ロマン派の知的遺産やポスト構造主義なども視野に収めつつ、新たな社会システム理論の構築を試みる。90年前後よりこの理論を用いて現代社会を形成する諸機能システムの分析を試み、その対象は経済、法、政治、宗教、科学、芸術、教育、社会運動、家族などにまで及んだ
馬場靖雄[ババヤスオ]
1957年、新潟県生まれ。1988年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大東文化大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
機能分化した近代以後の社会では、個人は部分から全体を捉える基点である。が、政治、経済、法等の継続を目的としたオートポイエティック・システムの構造的カップリングとして社会を捉えると、個人はシステム外の環境として現れる。これらシステムの中における芸術システムの特徴は、馴染み深い個人の現実にそのバージョンを対置させることにある、と著者はいう。本書は、分割不能とされる個人(ファーストオーダー)を作品との偶発的出会いを通じてシステム外の環境に移し換え(セカンドオーダー)、その現実を多文脈化する芸術の機能を検討する。2024/07/17