内容説明
太めと痩せのカップルの、出会いと別れと再会の物語「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」、天国まで自慢のワインを持って行こうとする呑んべえ領主に抗して村人たちが考えた作戦が意表をつく「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」など、23編のジンワリいい話を集めた待望の短編集。ちぐはぐな会話としんみりした読後感が楽しい表題作は、今は亡き両親をレストランに招待した男の話。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miri
66
翻訳ものが苦手でもないのですが、話の流れがほぼ頭に入ってこない、かなり時間をかけて読みきりました。短編集なのが合わないのか、話の内容にも文体の美しさにも浸りきれず虚脱状態。世の中にこれほど書籍が溢れていることを考慮したら、そういうこともあるかもしれないと開き直り次の本を読みました。2020/09/19
こばまり
60
二十代の頃さまざまに読んだものだが何故か今、手元に残るはこの1冊のみ。ふと頁を開けばアイルランドの風騒ぐ路地へ、赤茶けた火星の洞窟へと、瞬く間に私を連れ去ってくれる。2020/09/26
とも
51
正直、意味がイマイチよく分からないまま終わった物語もあったけど、キラリと光る眩しい物語も沢山あった。「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」はキュンとし「さよなら、ラファイエット」は寂しくも深い一編で「プロミセズ、プロミセズ」では男のエゴに揺れる女を見出し「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」「号令に合わせて」ではニヤリとさせられた。読了までに期間は要したが印象深い素敵な一冊でした。2017/03/22
のせ*まり
38
ブラッドベリの作品テーマは『別れ』だと思っている。描き方はSFだったり、ファンタジーだったり、日常のどたばたコメディだったりするんだけど、最後はどこか切なくその世界観に浸れる唯一無二の作家。今回の23篇も、こんなに短いのに一篇一篇映画を観たように幸福感に包まれた。デンジャラスゾーンの原作も手掛けてたのか!! 2017/10/19
えりか
31
余韻を味わう。世界に入り込む。読み終わった後、この本を胸に抱いて孤独な人たちに思いを馳せる。心を捉えて離さないのは、多くは語られないのに、いや語られないからこそ、そこに紛れ込んで綴られている気持ちが伝わってくるから。だからなんだか泣きそうになる。ちょっと怖いのも、クスリとするのも、しんみりするのも、ほんわかするのも、どれも心に残る素敵なお話。全部好きだけど「トインビー・コンベクター」「オリエント急行、北へ」「ローレル・アンド・ハーディー恋愛騒動」「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」「ゆるしの夜」が特に好き。2015/11/08