新潮文庫
回想のビュイック8〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102193372
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

少年は父を亡くした。ペンシルヴェニア州の田舎町で堅実に警官を務めていた父を、突然の悲劇で。悲しみに打ちひしがれた少年に笑顔が戻ったかに見えたその日、父の元同僚たちは信じがたい話を語り始める。署の外には決して洩らせぬ秘密、倉庫に眠る謎の車ビュイック8(エイト)の存在と、息子の知らぬ父の意外な過去を…。練達の語り部キングが冒頭から引きずり込む、絶妙の開幕。

著者等紹介

キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、’74年に『キャリー』でデビュー。好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる

白石朗[シライシロウ]
1959年生れ。早稲田大学第一文学部卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

98
1台の奇妙なビュイック・ロードマスターは異界への扉として畏怖の存在でありながらも、それが見せる異世界への深淵に興味を持たざるを得ない。人を惹きつけて止まない、そんな魅力が車にはある。確かに車は無機質な機械でありながらもその風貌は何かの生き物に見える。ライトが眼でグリルが鼻であり、そしてバンパーとナンバープレートが口のように見える。従ってそんな魅力のある物が人間に害を及ぼしてもおかしくない。車に乗ると性格の変わる人がいるが、車は使い方次第で道具にも凶器にもなる。車はキングにとって魔性の存在なのだろう。2023/09/12

白のヒメ

47
警察の倉庫に押収品としてしまいこまれている新品同様のビュイック。でもそれは謎だらけの物体で車とは言えない代物だった。事故死した警察官の息子に父親の同僚たちが語り聞かせるビュイックにかかわる回想の物語。一体そのビュイックは何なのか・・・。上巻を読み終えても、その車が何なのか正体は分からない。ビュイックにまつわる不気味な現象らをどう判断すればよいのか。今のところ、キングにしては軽いタッチの文章運び。さてどうなっていくのか。主人公の少年と一緒に、同僚たちの話の進み具合に、多少じれったく思いながら下巻へ。2018/04/15

眠る山猫屋

34
再読。車じゃないんだよね、車にそっくりなだけで。そして時折、異物を吐き出したり、激しく点滅したりする。少年の父は、そんな〝何だか解らない未知のもの〟に魅せられてしまった。その感覚は判らないでもない。男の子ってよく分からない部品とか拾ったりしますから。まだD分署に悲劇は訪れてはいない。2018/07/06

ロア

28
牧歌的のんびりムードから徐々に不気味さが加速してゆき、解剖シーンで上巻のクライマックスへ!(*´>ω<`)***大袈裟でない言葉で丁寧に、そして淡々とした表現だからこそ、物語の世界観に没入できる。頭の中のスクリーンに容易に映像が映し出される。キングの作品は全てそう。だから好きなんだ(っ*´ェ`*c)2015/10/23

志田健治

20
好きです。この、普通の人々が普通ではない事態に巻き込まれ、いたって普通に対処して行く感じがキングさんの真骨頂だと思います。超常現象は日常に潜む!兼ねてからそうあって欲しいと考えておりました。何の変哲もない片田舎の住人が日常的に幽霊を目撃している、なんて世界観に憧れます。だから『回想のビュイック』はどハマりです!ちょっとサンディの勿体つけぶりにイラッとしますが(笑)、それぞれのキャラも好きです。なんだろう、先が読めない展開。こんなことどうやって思いついたのでしょう。キングさん底知れないですね!2017/11/28

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