内容説明
ネヴァダ州の砂漠を突っきるハイウェイ50。一人の警官が、通りがかる人々を次々と拉致していた。彼らが幽閉されたのは、デスペレーションという名の寂れた鉱山町。しかも、町の住民はこの警官の手で皆殺しにされていた。妹を目前で殺された少年デヴィッドは、神への祈りを武器に、囚われの人々を救おうとするが…善と悪、生命と愛という荘厳なテーマに挑む、キング畢生の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
319
かなりひさしぶりのキング作品。上巻読了の段階では、非常に動きが少なく、この先の展開次第で評価がどうとでも転ぶ可能性あり。設定自体はものすごく魅力的で、警官の不気味さもとてもよく描写されている。しかし、個々の登場人物の回想がカットバックされる頻度が高く、やや勢いを削いでいるようにも感じられる。実際、600頁近くかけて起きた出来事は、高速道路で捕まって町まで連れていかれて留置所に入れられて、なんとかそこから脱出しただけという、時間経過どれくらいだ?という疑問が湧く。それでもこれだけ読ませるのは流石だけれども。2024/07/22
Tetchy
124
ネヴァダ州の砂漠にある小さな鉱山町デスペレーション。チャイナ・ピットと呼ばれる米国最大の露天掘りの銅鉱山の町。その町の狂える警官によって狩られる旅行者たちの物語。よく田舎の町ほど恐ろしいところはないという。なぜなら田舎には町を牛耳る権力者がいれば、その者がその町の秩序であり、法となり全てを思いのままに支配することが出来るからだ。つまり世間一般の常識が通用しなくなる。そしてこの町では悪徳警官コリー・エントラジアンこそが法である。しかし物語は悪徳警官物から異形なる者のホラーへ変わっていく意外な展開を見せる。2022/03/30
nuit@積読消化中
62
【日本の夏は、やっぱり怪談2023年】〈其の三・和洋折衷編〉参加中です。積読本消化月間。積読してたキング作品を引っ張り出して読み始め…ひゃー!やっぱりキングって面白い!最高です。登場人物一人ひとりの描き方がうまくてぐんぐん読ませますね〜。怖い警官に神童も登場。盛り上がってこのまま下巻へ続きます!2023/08/09
goro@the_booby
53
もうね、身に覚えのない麻薬所持で有無を言わせずパトカーに乗せられるとこからキング全開です。キングの場合は自分の身に起こったかのような気にさせる怖さでしょうか。「デスペーションへようこそ」と下巻へ。2023/09/21
志田健治
21
最高です!面白すぎます!さすがキングさん!「不眠症」や「ローズ・マダー」など、若干変化球気味な作品が続いていましたが、ここで本領発揮という感じです。とにかくキャラが秀逸。デヴィッドくん最高です。彼のパートはすごすぎてニヤニヤしながら読みました。そして何と言ってもシンシア!ローズマダーのお気に入りキャラの登場で大興奮!ガートも出ればなぁ。でもガートが出たら物語は一気に解決しそう(笑)シンシアは主役級のキャラですよ。妙に可愛いんですよね。シンシア萌えです。言葉選びとかたまりません。魅力的ですなあ、シンシア!2016/09/26