内容説明
ベテランの運び屋ハントは、ある受け渡しの現場を保安官補ドレイクに発見され、逃亡する。彼はやむなく“償い”として仲介者から提示された仕事を受ける。だが、実はその成就を待ってハントを始末すべく、嗜虐的な“調理師”が放たれていた。死闘の末に3人の男を待ち受ける運命とは―?緊密なプロットと鮮烈な人物造型で全米を震わせた超弩級新人のデビュー作、いよいよ上陸。
著者等紹介
ウェイト,アーバン[ウェイト,アーバン][Waite,Urban]
1980年、シアトル生れ。12歳でバイク店の床掃除を始めて以来、苦学の末にワシントン大学、西ワシントン大学、エマーソン・カレッジで学位を取得。雑誌に掲載された短編がエージェントの目に留まり、『生、なお恐るべし』で長編デビュー。またたく間に世界各国で翻訳される
鈴木恵[スズキメグミ]
1959年長野県生れ。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinnov
35
生きざるをえない事。生を選択する事。それでも生きる事を主題にした、人生の物語だ。犯してしまった過ちからなんとしても逃れようと足掻きながら生きて行く中で向かい合うどうしようもない状況に翻弄される主人公ハントと、彼を通して過去と今を理解しようと追う男ドレイクの二人の有り様を見届けながら、冷徹でショッキングな残酷描写に震え上がる。何が、恐ろしい(Terror)事なのか。人生は、全うに生きようとするだけで、苦しく残酷だ。例え思慮に足りない行動のせいだとしても。人はそれでも日々を進まなければならない。結末が救いだ。2023/06/05
GAKU
19
私には合いませんでした。途中から斜め読み。2015/12/11
チョッピー
15
作者が意図したであろう「キャラクター(重視の)小説」として見ると、主人公も含めてその描き方が中途半端に思え、それ程物語自体に深みを感じる作品ではありませんでしたが、ヘロインを巡っての「マンハント」物としては、キャラクター間のエピソードの切り返しにスピードがあり、死屍累々たる光景が展開される中盤からは読む手を止められない一気読みの面白さが楽しめました。後引くような部分が無いのが長所でもあり短所でもありそうですが、一時の読み物としては十分満足しました。内容とは別にこの日本題名はGoodでは無いかと思います。2015/02/08
icchiy
8
逃走劇、アクション、暴力、ドラッグ、その他盛り沢山でしたが、案外シンプルで一気読みでした。 作者はよくあるプロットではあるが、プロット自体を書きたかったわけではなく主人公のキャラクターそのものを描きたかったと巻末に紹介されてました。なるほど、主人公ハント、かれを取り巻く人たちの心の揺れる葛藤は丹念に描かれてましたね。 物語の中で何人も死んでいくわけですが読後感はハッピーではあります。2013/12/30
tom
7
みなさん厳しいコメント。なるほど同意と思った部分は多いけれど、でも、最後まで飽きさせないし、エンタメとしては上質です。なにしろ、54歳の元受刑者、生活を支えるという自意識の元で運び屋をしている男が主人公。こんな年寄りが、妻と生活を守るために走り回る。これもパターンではあるけれど、でも、同じ年寄りの私としては、この本の面白さは許容範囲内。2011/08/26