内容説明
クラスの人気者アンドリアが無惨な死を遂げて以来、7歳だったエリーは、姉との秘密を誰にも明かさなかったことを悔やみ続けてきた。犯罪調査記者となった今も―。憎むべき男は姉の命だけでなく、父も母も彼女から奪った。二人は痛手から立ち直れなかったのだ。魔物は近く仮釈放される。エリーは独自に再調査を進め、葬られた真実をネット公開し始める…。
著者等紹介
クラーク,メアリ・ヒギンズ[クラーク,メアリヒギンズ][Clark,Mary Higgins]
1929年ニューヨーク生れ。幼な馴染の夫と死別後、ラジオのプロデューサーとして働きながら5人の子を育てた。’77年『誰かが見ている』でベストセラー作家となり、速い場面転換と視覚的サスペンスに富んだ描写で多くのファンを魅了している
安原和見[ヤスハラカズミ]
鹿児島生れ。東京大学卒
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感想・レビュー
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4fdo4
8
推理小説。姉を殺した犯人が仮釈放される。裁判では一貫して否認。ジャーナリストとなった妹は無罪主張する犯人とそれを支持する市民に翻弄されていく。ノンストップで読み切りたい2025/02/01
ツカモトカネユキ
3
2004年訳版発行。2003年原版発行。ニューヨーク州郊外で起こった、23年前の少女殺害事件を発端に巻き起こる物語。地方有力者とそれを擁する閉鎖的な社会に向けて、釈然としない事件の在り様の解決に調査報道記者になった妹が立ち向かいます。サスペンスの女王と言われる作者だけあって、映画さながらの展開で進んでいきます。終盤、解決まで走りますが、少し雑になります。頭脳明晰で演技派とされる犯人の仮面の剥がれ方は、残念。もう少し丁寧であって欲しかったです。エログロのない物語展開は、万人向け。他作品にも興味がわきました。2024/08/13
ナオ
2
この方の作風は裁判などの司法がベースに盛り込まれているので、著者は女性でもあるし、なんとなく海外版宮部みゆきだと思っている。もっとも、宮部さんは非現実的要素も仕込んでくるのでそこが二人の相違点ではある。安原さん単独の翻訳は初めて読んだが、とても読みやすかった。これは、犯罪を許さず正義を掲げて真実を問いただすと共に、失われた家族の絆を取り戻す再生の物語。2017/04/07
ラス太
2
それほど劇的なミステリというわけではないけれど、殺人事件の被害者家族の苦悩がよく伝わってくる。素晴らしい作品だとは思う反面、証拠やミステリの核部分はおざなり。70点。2013/07/18
kama
2
★★★ 始まりは上出来。あとはミステリーとしては単純で安易ながら(もう一人の容疑者あたりが不満か)登場人物やエピソードが当然ながらうまいもんで楽しめました。2012/05/18