感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
48
古い方を再読。これ、新しい方との違いがあまりわからない。それだけ意訳ではなかったという事か。新訳の時も書いたが、作者は明らかにペリーの生い立ちに同情しており、その部分が如実に文章に表れている。特に処刑時の描写での新聞記者のコメントが印象に残る。2013/04/13
James Hayashi
37
1965年に書かれた凄い大作である。ノンフィクションであるが、著者の主観や思いが書かれておらずリアリティが全く感じられない。かえってフィクションを読んでいるかのようであった。これは当時新しい作風でノンフィクション・ノベルと言うらしい。ひたすら事実のみを追求しているが、被告の心理、犯罪の理由や背景など書かれ圧巻である。ただ3週間程前のラスベガスの銃撃を思うと小規模な事件であり、4人の殺害者では現在の米国ではあまりにも小さな事件で新聞の大見出しで報じられる事はない。続く→2017/10/19
けんちゃん
22
1959年にアメリカ・キャンザス州で起きた4人の惨殺事件を元に書かれたドキュメンタリー。事件の背景から、経過、周辺の人たちのエピソード、二人の被告が絞首台に消えるまでの詳細な記録。カポーティがこの作品で、ノンフィクションノベルという新しい分野を切り開いたとのことですが、確かに今まで読んだことのないようなパターンの作品でした。小説として読むのには「不要」と思われる記述がとても多く、事件の記録としては、登場人物に寄り添い過ぎ…どちらも大事、と欲張った盛りだくさんの内容に戸惑い、かなり読むのに苦労しました。→2012/08/20
綾
17
ノンフィクション・ノベルというのは初めてかも。リアルなのに、小説みたいだった。死刑制度について考えながら読んでいたら、ドック・サヴェージの犯罪人への脳手術の話が出てきた。ちょうど、自分が考えていたことと一緒だった。いちばん書きたかったこと、伝えたかったことは何なのか、よく分からなかった。2019/04/18
Yushi Suzuki
12
ものすごく時間をかけて読みました…。2週間ぐらい。。どっと疲れた・・・。読む快楽を味わったり、殺人者に感情移入してしまったり、やはり理解に苦しむと突き放してみていたり、読み側である僕の感情の振れ幅がありすぎて大変疲れた。カポーティの闇、そしてジャーナリズムに潜む闇を見た気がした。実際に起きたひどい事件を面白おかしく かつ芸術的に描き出すわけだから、それでお金ももらって。なんなんだろう…。読んでいてわかったのですが、取材中にカポーティはかなり殺人者二人に情が移っていったのだなと感じました。人間ってなんだ…。2015/12/25