出版社内容情報
ジーン・ウェブスター[ジーン ウェブスター]
岩本 正恵[イワモト マサエ]
内容説明
孤児院で育ったジュディの人生に、とびきりのチャンスと幸せが舞い込んできた。名を名乗らない裕福な紳士が、奨学金を出して彼女を大学に通わせてくれるという。ただし条件がひとつ。毎月、手紙を書いて送ること。ジュディは謎の紳士を「あしながおじさん」と呼び、持ち前のユーモアがあふれた手紙を書き続けるのだが―。最高に素敵なハッピーエンドが待ち受ける、エバーグリーンな名作。
著者等紹介
ウェブスター,ジーン[ウェブスター,ジーン] [Webster,Jean]
1876‐1916。ニューヨーク生れ。ヴァッサー大学卒業後、1912年に出版した『あしながおじさん』と’15年の『続あしながおじさん』で名声を博す。大学在学中から社会事業にも興味を寄せ、後に少年感化院や刑務所改善の特別委員などを務めた
岩本正恵[イワモトマサエ]
1964‐2014。東京生れ。東京外国語大学英米語学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
382
この年齢になって初めて読んだ。読んでよかったとしみじみ思う。あやうく自分の読書(文学)体験からこの作品が欠落したままになるところだった。設定も構成も語りもすべてにおいて実に周到な、しかもうまい作家だと思う。まず、ジェルーシャが児童養護施設で育ったとの設定が、彼女がヴァッサーに入学してから(施設から出ることで)の体験をすべて新鮮なものにしていること。それを語る彼女の筆致(視線)はそのまま読者が瑞々しく追体験できること。4年間の手紙が彼女の成長を物語っていること。そして、常に溢れる感受性に富んでいること⇒2024/06/29
あきぽん
135
祖母が愛読した本。ちゃんと読んだことがなかったけれど、3ヶ月かけて原書で読破しました!昔から女目線での理想の女の子は、「頭が良くて強い、しかし決して怖い感じではない」なんだなあと思いました。赤毛のアンもそうですね。ちょっと違うキャラクターですが。昔の少女小説のヒロインは、時空をこえて、あなたの親友となり励ましてくれます。2018/11/05
NAO
93
再読。孤児院の理事からの奨学金で大学にいけることになったジュディ。彼女は、ひとなみであること、自由な人間として生きることを強く望んでいる。だから、ジュディは「あしながおじさん」からでも、必要以上のプレゼントを拒否する。その態度は潔癖ともいえるほどだが、必要以上の施しを受けないということは、彼女のプライドを維持する上でとても大切なことだったのだろう。明るく、誇り高く胸を張り、ちょっと背伸びもして。でも恋には疎くて。本当に、ジュディの魅力は、尽きることがない。【新潮文庫の100冊 2018】2018/07/05
kaizen@名古屋de朝活読書会
88
文学者を夢見る少女。支援を申し出る足の長い男性。 孤児の少女の物語の3大傑作。アン、プリアンナのように表題に人名が入っていないところがみそ。ある意味、育芸。 英語の題は、daddy long legs。英語でも読んだ。 2020/03/05
はじめさん
87
令和4年 7月23日ーー文月の文の日。書簡体小説の傑作「あしながおじさん」をお題に、オンラインで読書会を開催します。かしこ。(ときどき男でも使う人いる)https://bookmeter.com/events/9521 / 孤児院で暮らす女の子が、篤志家に文才を認められて、大学進学。寄宿生活での友情と、思春期の恋・・・リアルでは相談できる相手のいない出来事も、おおらかな気持ちで受け止めてくれる「あしながおじさん」相手での手紙では本音を綴れる・・・果たして、この2人が出逢う未来はあるのだろうか。