感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
44
少しも古びておらずびっくりする。「エスクァイア」最新号に載っていてもおかしくない。冷徹な目と温かな心。果たしてロマンチストではなかったか。読んでいると滅入るが「ワインズバーグ・オハイオ」もいずれ必ず。2018/01/14
高橋 橘苑
18
シャーウッド・アンダスン2作目。もう少し読んでみたいが、邦訳を手に入れるのが困難な作家であるから、これが最後になると思われる。内容は、名作と言われる「ワインズバーグ・オハイオ」と同じく中西部を舞台とした名も無き市民の奇妙な情熱を扱った作品がほとんどである。才気でくるんだイノセントやピュアといったものを武器にして、上流社会に認められようとしたカポーティやフィッツジェラルドと違い、作家的な眼を持って、タウンから落ちこぼれてゆく人々が伝えようとした、埋没したアメリカンドリームを描こうとした作家だと感じる。2017/03/01
植田 和昭
9
森の中での死だけ、蛍光ペンでひいてあったのですが、これはタムタムさんが読んだ本なのでしょうか?人生でのつらい経験が足りないせいか、まだわからないことが多かったのですが、森の中の死がいちばんよかったです。あとは卵ですかねえ。アメリカ文学は、現代風の話が多いですね。 2017/02/28
booklight
7
生の奇妙さを、独特の優しくも冷静な視点で描いた短編集。奇妙さがいいところなので、できのいい『ワインズバーグ・オハイオ』よりもこちらが好み。四半世紀ぶりぐらいに『卵』を読み返したときに、自分の視点「人生は細部こそ面白くも悲しい。人生は、細部にこそ集約される」という原点の一つがこの辺りにあったんだと驚いた。2018/07/29
sk
4
割と人生の微妙なところを突いてくる。ギリギリ共感できるかできないか、といったところを突いてくる。よく作り込まれている。2018/10/05