出版社内容情報
世界を救うたった一つの方法、それは……。卒業単位欲しさに訪れた研究室で俺を迎えたのは、異様に不機嫌な少女だった。彼女は17歳にして教授だという。もう一人の老教授に宥【なだ】められ、案内された先にあったのは、未来と交信するリングレーザー通信機。うっかり未来を観測した俺は、自分と世界の存在を不安定にしてしまう。助かる方法はただ一つ! 天才×美少女×タイムパラドックス×暴走する量子=世界を揺るがす青春小説!
内容説明
卒業単位欲しさに訪れた研究室で俺を迎えたのは、異様に不機嫌な少女だった。彼女は17歳にして教授だという。もう一人の老教授に宥められ、案内された先にあったのは、未来と交信するリングレーザー通信機。うっかり未来を観測した俺は、自分と世界の存在を不安定にしてしまう。助かる方法はただ一つ!天才×美少女×タイムパラドックス×暴走する量子=世界を揺るがす青春小説!
著者等紹介
緒乃ワサビ[オノワサビ]
1988(昭和63)年、神奈川県生れ。早稲田大学先進理工学部卒。大学在学中にイラスト制作会社を創業。2016(平成28)年からビジュアルノベル開発に業態変更し、ゲームブランド“Laplacian”を立ち上げる。企画・原作・シナリオを担当した「白昼夢の青写真」は、英語、中国語にも翻訳され、国内のみならず、海外にも多くのファンを持つ。小説家としては、本書がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
49
「わたしとあなたが恋をしないと、世界は終わる」そんな惹句に惹かれて手に取り大正解。超潔癖男子・鉱と残念天才美少女・翠のボーイ・ミーツ・ガール物語。二人の性格のギャップと翠のオンオフのギャップがとても楽しい。タイムパラドックスものとありますが、過去を変えて未来を守るようなものではなく、確定した未来を守るために現在において「正しい道を選んでいく」という展開で、総じて優しい物語でした。守るべき「世界」が何かが明らかになった瞬間はとても心が温かくなりました。読了感も爽やかで、実に素敵な青春SF恋物語だと思います。2024/09/11
よっち
33
卒業単位欲しさに研究室で訪れた大学生・万里部鉱が、不機嫌な17歳の飛び級天才少女と出会い、うっかり未来を観測してしまう青春SF小説。目鼻立ちは整っているが、異様なまでに不機嫌な少女・三澄翠との第一印象最悪の出会い。老教授・一石に連れて行かれた先で見た、自分と世界の存在を不安定なものにしてしまうタイムマシンの存在。未来を変えないためにお世話することになった天才で生活が破綻している翠との間で育まれていく絆があって、未来から過去への干渉というタイムパラドックステーマの中で、定まっていく彼の覚悟が印象的でしたね。2024/07/29
ホシナーたかはし
19
改めて「タイムリープ」が発売されていた頃の電撃文庫ぽい内容、面白かった。理系知識が無くても、十分楽しめました。世界ってそういうことかぁ・・・BTF系の「現在の自分が過去/未来の自分に会うとビッグバンが発生するかもしれない」でなく、ドラえもん系の「現在の自分が過去/未来の自分に会ってもネタバレしなけりゃ大丈夫」のタイムマシン理論科学本。「シュタインズ・ゲート」を観返したくなる。2024/08/11
なみ
17
大学4年生の万里部が出会ったのは、17歳の特別招聘教授である三澄翠だった。 三澄が開発した未来と通信できる技術により、万里部は彼女に恋をさせなければならなくなってしまい──。 2人の軽快な会話がすごく良かった。特に万里部がアラーム役として三澄の部屋を訪れるシーンが最高です。土偶やモアイ、エイリアンが少し好きになりました。 登場人物たちが一致団結して誰かを救おうとする話が好きな人、絶対にたくさんいると思うので、そういう人にぜひ読んでほしいです!2024/10/31
椎名
17
古き良き青春×SFもの。シナリオライターとして名前を知っていたため信頼はしていたが、非常に綺麗に纏まった一冊だった。未来から送られてきたメッセージ、そして世界を救うための方法は良くも悪くもチープではあり、どうしても有名作と比較してしまう部分があることは否めなかったが、この作品で何より力が入っていたのは絶対に仲良くなれないと思わされた主人公とヒロインの二人がたったの二週間で劇的に、かつとても自然に距離を縮めていく様子だろう。少なくとも自分はあくまでそこがこの作品の芯であり、魅力だと思う。良い作品でした。2024/08/16