内容説明
僕は、死にかけると未来を見ることができる。校内放送のCreepを聴きながら、屋上のドアノブで首を吊ってナンバーズの数字を見ようとしていた昼休み、親友の天ヶ瀬が世界を壊す未来を見た。彼の顔を見ると、僕は胸が苦しい。だから、どうしても助けたいと思った―。いじめ、虐待、愛する人の喪失…。死にたいけれども死ねない僕らが、痛みと悲しみを乗り越えて「青春」を終わらせる物語。生きづらさを抱えるすべての人へ。
著者等紹介
佐野徹夜[サノテツヤ]
1987(昭和62)年、京都府生れ。同志社大学卒。2017(平成29)年、『君は月夜に光り輝く』で電撃小説大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒瀬
120
【そこは夜の教室だった。そして僕は地獄を見た】 『君は月夜に〜』など今までの著作と似通っているようでまるで違う毛色の作品。あとがきを読むと、とにかく著者が書きたかったことをぶつけたのだと分かる。だから好みは別れるかもしれない。死にかけると未来を見ることが出来る間中をはじめとした死とこの世の終わりを求める三人の男女。それぞれが生きづらさを抱える中で恋い焦がれるものは何か。SFと哲学が入り混じった虚構と現実、そして間中が見た未来は少々理解が難しい部分もあるが、それを考えるのもまた贅沢な楽しみ方かもしれない。2020/07/08
ウッディ
113
死に近づくと未来が見える真中、幽霊と話せる青木そして他人を洗脳できる天ヶ瀬、引きこもりの矯正施設で出会った3人は、自殺未遂を繰り返し、生き辛い世界にささやかな抵抗を見せる。あとがきでデビュー前に書き上げた思い入れのある作品と書いていましたが、設定も内容も粗削りで、先の見えない絶望感の中で、著者の思い入れだけが絞り出されたという感じの作品でした。現実と悪夢の間で本筋が見えない構成、生と死の境界があいまいで、厭世感に溢れ、読んでいても暗い気持ちにしかならない駄作。若い人たちに読んでほしくない作品だと思った。2020/10/08
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
55
読みやすそうと思って読み始めた。最初は面白かったけど後半がもう、わけがわからず..。壮絶なことだけが鮮明に描かれていて、登場人物たちの現状の心理にたどり着くまでの描写が曖昧で、そのチグハグさが最後までモヤモヤさせられた。死んだのかまだ生きてるのかが常に曖昧だった。2024/12/15
緑茶
53
不思議な力を持っている3人の男女、その力の発動条件は「死にかけること」。とてもリスキーだけど、生に執着のない3人は淡々とやってのけることができます。読んでいて苦しくなる青春小説でした。死んだり生き返ったり、最後はいきなり好きだなんだとかあって展開についていくのが大変でした。個人的には他3作(4かな?)の方が好きかな、、、と思いつつ、これが彼らの原点なのかなと思うと納得できました。次作も楽しみにしてます。今回もloundrawさんの絵がとっても素敵でした💓2020/07/12
hundredpink
52
いったい何を読んだのか。2020/08/08