出版社内容情報
月原 渉[ツキハラ ワタル]
著・文・その他
内容説明
その死体は、三重の密室の最奥に立っていた。異様な形で凍りついたまま…。そのとき犬神館では、奇怪な“犬の儀式”が行われていた。密室のすべての戸に、ギロチンが仕込まれ、儀式の参加者は自分の首を賭けて、“人間鍵”となる。鍵を開けるには、殺さねばならない。究極の密室論理。これは三年前に発生した事件の再現なのか。犯人からの不敵な挑戦状なのか。瞠目のミステリー。
著者等紹介
月原渉[ツキハラワタル]
1978(昭和53)年神奈川県生れ。2010(平成22)年、『太陽が死んだ夜』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。個性的な作品を発表し続ける本格ミステリの新鋭。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
93
★★★☆☆21101【犬神館の殺人 (月原 渉さん)】使用人探偵シズカシリーズ3作目。このシリーズを読んでて思うのは、シズカさんみたいな人が身近にいて、世間話とかしてたら『面倒くせぇ〜』ってなりそう〜(笑)、近づいてきたら無意識のうちに体がバックしてしまうかも。シズカさん、キレッキレの解釈不能発言を連発されたら、とても付き合いきれません〜(小説の中でのことなら、それはそれで面白い要素なのかもしれませんけど。)、本作品もかなり難解な訳分からん展開で、当方のCPUでは演算処理が追い付かない感じでした(汗;)2021/10/08
aquamarine
85
シリーズ3作目ですが、毎回違うところで使用人をしているのでどこから読んでも問題ありません。今回は三重の密室の中の他殺死体を発見することから始まります。儀式に伴う密室の作りの異常さ、過去に同じような密室殺人を知っているというシズカ。作者の意図なのでしょうが、同じ密室の現在と過去が交互に語られるのでとても混乱しました。まだあったか!と思うほど最後までいろいろ仕組まれていて、凄く良くできていると思います。惜しいのがキャラの書込みや背景が薄い気がすること。ひたすらぎっしり詰まったロジックだけを追った印象でした。2020/02/07
あっちゃん
68
過去と現在の事件を交互に書かれている上に、場所も登場人物の一部も同じという事で、ちょっとわかりづらい(笑)まぁ、結末が違うので、同じネタで2度オイシイ?( ̄▽ ̄)2022/04/07
キナコ
64
シリーズもの第三弾。過去の話と入り乱れてとなるため、登場人物をしっかりと把握してないと難しいかな。今回は吹雪によるクローズドサークル。やや宗教絡みの儀式を中心とした連続殺人事件。物理的なものと心理的な密室が上手くできていると思った。残酷ではあるが、読みきると悲しい選択だったんだとわかる。2023/07/16
しゅてふぁん
53
今回は旧家での怪しい儀式、三重密室での殺人事件。同じような事象の過去と現在が交互に語られながら進んでいくのでややこしい。現在の事件については主にシズカと主人のひなこの二人が語り合いながら進行していくので他の登場人物の存在が希薄なのが残念だったかな。密室の図面もなく、現在と過去が入り乱れて煙に巻かれた感がしないでもない。2020/12/19




