出版社内容情報
骸を撫でる少女たちは皆十八で呪の痣に殺される大正二年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
清水 朔[シミズ ハジメ]
著・文・その他
内容説明
大正二年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を解く民俗学ミステリ。
著者等紹介
清水朔[シミズハジメ]
梅光女学院大学卒。『神遊び』で集英社ノベル大賞・読者大賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
106
表紙のイラストに惹かれて読みました。沖縄の離島にある黄泉がえりと人鬼伝説のある村。人鬼になって黄泉がえることを防ぐために死者を巫女により葬る風習。その裏で行われている巫女達の失踪。結末は残酷で悲しかった。2020/10/29
5 よういち
105
日本の南方の孤島に伝わる亡骸の四肢を抜く葬送儀礼を行う御骨子の少女たちの体には呪いのアザが浮かび、皆18歳になると島から姿を消すという。大正2年、この奇習を追って帝大講師の南辺田廣彰と書生の山内真汐は島へ上陸する。◆儀礼のシーンはとにかくエグくて、グロい。素直な文章なので頭の中に情景が浮かびやすいのが良いのか悪いのか。御骨子・アザカの置かれた背景は何とも物悲しい。そして真汐の気持ちも痛いほどわかる。それだけにアザカの真相が分かってからの展開はもう少し心理描写が欲しかった。◆エンタメホラーとしては楽しめた。2022/03/09
nuit@積読消化中
102
大正二年、南洋の孤島に伝わる黄泉がえり伝承と奇怪な葬礼を調査するイケメンな貴族!?民俗学ミステリと聞いて、軽い気持ちで手に取りましたが、いやはや面白い。なんだこの凄まじい葬送儀礼は!想像してしまうと…うっ…でも、その土地ならではの送り方ってありますしね。洗骨なんかは、あの芸人のゴリが監督でコミカルに描いてましたが、実際は…(余談ですが映画は面白いです)。しかし、最後は少女に秘められた謎と結末に涙まで出てしまう。続編は本書の南からいきなり真逆の北に!このシリーズは読み続けたい。2020/09/08
ちょろこ
102
せつない一気読み民俗学ミステリ、の一冊。時は大正、舞台は南洋の孤島、そして伝承と儀式…もうこれだけで心は半分持っていかれたも同然、共にこの謎めいた島を調査する気分で一気読みの作品だった。おぞましさの中にもどこか美しさを感じる描写、せつなさあふれる描写が随所に感じられ、特に美しさとせつなさの共演とも言えるクライマックスの第六章にはがっつり惹きつけられてしまった。心に永遠に閉じ込めておきたくなるほどの二人のシーン、これには涙がホロリ。2019/03/14
Bugsy Malone
88
大正初期、沖縄本島から離れた南洋の離島で行われている独自の葬礼儀式。鬼、黄泉がえり、儀式を行う少女たち。これは大変面白かった。主人公が語る因習に対する解釈も共感できるし、また断ち切る姿勢も良かった。人物も魅力があり、残酷な描写が哀しく美しい。続編があれば是非読んでみたいです。2020/06/14