出版社内容情報
クリスマスイヴ、階段島を事件が襲う――。そして明かされる驚愕の真実。『いなくなれ、群青』に続く、心を穿つ青春ミステリ。
あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。
内容説明
クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない―。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。
著者等紹介
河野裕[コウノユタカ]
1984(昭和59)年、徳島県生れ。グループSNE所属。2009(平成21)年、『サクラダリセットCAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。2015年、『いなくなれ、群青』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カメ吉
164
階段島シリーズの第2作目ですが、1作目では馴染めなかった世界観がようやくわかってきたかな?って感じです。 面白くなってきました。雰囲気にも慣れてどんどん引き込まれました。 真辺と七草との関係も今後の展開が楽しみです。このシリーズも楽しめそうで満足です。2017/05/24
佐々陽太朗(K.Tsubota)
164
100人の人には100とおりの「色」がある。しかし、その中に一人として「純白」はない。「白」について考えてみよう。物体がすべての波長の可視光線を100%乱反射するとき、その物体は白いという。しかしながら100%の反射率を持った物体は実在しない。つまり我々が「白」と認識している色は決して本当の白ではない。白く見えるものをいくら塗り重ねても、決して「純白」には到達し得ない。この物語は「そうありたい自分」を決してあきらめず想い続けたからこそ、それに到達できないことを知ってしまった人たちの物語だ。切ない話である。2015/06/14
かめ吉
145
今回も面白かったです!前回ではあまり目立たなかった佐々岡や水谷にもスポットが当たっていて良かった。純粋にヒーローになりたい佐々岡はかっこ良かったし、人間関係を大切にしたくて仮面を被る水谷の気持ちには共感しました。次回に関係しそうな謎がまだ残っているのでこれから楽しみです!2015/06/16
kou
144
今回も個性豊かな登場人物達の描写が面白く、読むのを止められなかった。最終巻くらいで判明すると思ってた秘密が早くも明かされ驚いた。続きも気になって仕方ない。2019/05/17
らじこ
127
真辺が好きだ。白くて歪みのない直線の彼女の存在は、歪んでもなお自分は直線だと言い張るしかない大人な目線を持つ水谷たちには、滑稽で子供に見えることだろう。歪まず、混じらず、素直なまま天真爛漫でいられるなんて。ずるい。わたしも、水谷と同じことを思った。今作では彼女と佐々岡、時任の視点を読めるところが面白い。たくさんの噂に関わる七草に戻るたび謎が気になり、次は次は?と読んでいるうちにパズルがカチカチとはまって真辺とクリスマスを迎えていた。ねじくれた2人の関係がまっすぐになる頃が楽しみで仕方がない。2015/08/11