出版社内容情報
冤罪で人生の全てを失った男は、復讐を誓った。次々と殺される刑事、検事、弁護士……。復讐は許されざる罪か。長編ミステリー。
身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士……。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深遠を抉る長編ミステリー。
内容説明
身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は決して許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深淵を抉る長編ミステリー。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968(昭和43)年、東京生れ。早稲田大学卒。’93(平成5)年、鮎川哲也賞の最終候補作『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッフー
117
読前は700p超す分厚さにマジびびる😰ところが何の👍大半通勤途中読で4日で完読🎉先が気になりページが進む進む👀これだけの長さで間延びするところはなく、各項目が当事者主観で描かれており感情移入もしやすい❗️俗に言う冤罪小説であるが侮ることなかれ🤔明日は誰もが罰せられる側、罰す側になり得るようで恐怖を感じる😰それにしても、満員通勤電車、ちょっと身体が触れただけで般若の面して睨んでくる女性💦彼女たちには天誅を💪そんな輩に限り鏡で己を冷静に判断しろと言いたくなる😓そんな僕も冤罪要員てかっ⁉️💦2019/08/21
あも
98
圧巻の貫井劇場。700頁越えを一気読み。身に覚えなき上司殺しで逮捕された江木。数年後、冤罪に関わった刑事や裁判官が次々に殺される。事件を追う山名刑事中心のリアルタイム部と、冤罪事件の過程を描く過去パートが交互に進む。後者では人生を奪われた男の苦しみが痛い程伝わり、復讐を応援したくなる。しかし本作の卓越した点は復讐される側の人生までも色濃く描いた事。彼らが単なる悪徳刑事や無能検事なら良かったのに。やるせないラストとそれを更に高めるエピローグに声を失う。復讐とは?に対する答えなき答え。冤罪小説の一つの到達点。2018/07/05
ヤマタマ
98
★★★★☆愚かな人間、救いようのない話。長いページ数に渡ってそれを描ききる文章力が凄かった。2015/06/14
miww
89
救いのないお話でしたが先が気になり一気読み。貫井さんやっぱり面白い。どこにでもいるおとなしい市民がある日突然「冤罪」の当事者になる。次々に殺されていく事件に関わった刑事、裁判官。伊佐山刑事、目撃者の雨宮には酷い嫌悪を感じる。こうやって「冤罪」は作られていくんだ。偶然にもさっきテレビで警察の取り調べを録音した音声が流されていた。あんな風に凄まれたらそこから逃れたいと犯してもいない罪を認めてしまうのかもしれない。「復讐」は罪なのか。分からなくなる。そして今日も冤罪は作られていくのか。2016/04/16
ヨーコ・オクダ
87
めっちゃヘビーな700ページ超え。冤罪によって、何もかも失った青年・江木が、出所後、自分を陥れた関係者たちに復讐していく…。一見、バラバラの事故、事件。「復讐」というものに対して、ある種特別な想いを持つ刑事・山名が担当でなければ、これらの事件が江木による犯行やという結論に辿りつかへんかったかも。江木のことを唯一、最初から最後までずっと無実やと信じ続けた母・聡子の愛が切なすぎるわ…。2013/12/19