内容説明
日本史上、もっとも非凡、もっとも独創的、もっとも不可解な男―信長。桶狭間から本能寺まで、従来の日本的な発想では理解出来なかった信長の行動を、プルターク『英雄伝』、スタンダール『ナポレオン』など、東西の古典を縦横に引いて明らかにしてゆく。並みいる世界の指導者と対比し、その比類なきスケールの「天才性」に迫る、前人未到の力業。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作。
目次
桶狭間
戦争の子
行動の原型
行動のエピソード
エピソードの展開
美濃攻略
小牧山移転、あるいは戦争と平和
天下布武
上洛
フロイスと義昭〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
49
新しい国を創りたかった信長という人物を良く知ることの出来る評伝。いやぁ~長かった。久々に候文を沢山読んだ。信長は天才というより既成の概念にとらわれない異形の人、およそ凡人には理解しきれない漢だと思う。安土城が残っていれば天守閣に登り信長が見た光景をみてみたかった。2017/09/29
金吾
23
○著者の信長に対する熱い思いが(思いが熱すぎると感じる部分はありますがそれもまた良しです)伝わります。信長の視点と他者の視点という部分や西洋の文献を引用しカエサル等て対比させる部分は面白かったです。2024/09/26
ほうすう
14
小説かと思って手に取ったがどちらかというと評伝形式で信長について考察したもの。昨今の研究情勢では信長の中世的一面が強調されていますが本書ではあくまでも天才革命児信長を描いている。確かにかっこいいとは思いますけど、一昔前に書かれたことを考慮してもいささか持ち上げすぎな感も…。自分の中の信長像とは異なりましたけど、こういった信長観もありだとは思いますし読み応えのある一冊でした。2021/08/30
NY
12
行動する、故に我あり。理想=非現実を徹底的に追求する究極の「無私」。革命、あるいは前衛の極致。日本固有の精神風土からは到底、生まれるとは思えない人物像を描くため、著者はプルターク英雄伝やデカルト、スタンダールなど西洋の古典を頻繁に引用する。さらに、日本の史料を自分流に解釈することも厭わず、また、それを隠しもしない。この一貫性は見事だ。光秀の謀反の理由は諸説あるが、著者は明快に、日本の体制が根本から覆されることを恐れたためだと指摘する。史料上の根拠はないのだろうが、ものすごく腑に落ちた。2020/04/29
出世八五郎
6
古語が頻繁にでてくるので苦痛でした。全然頁が進まないので、強引に頁をめくると理解が浅くなる。勿体無い読み方をしたから売らないで取っといてあります。
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