内容説明
「海に近づいてはいけません」。目だけとがらせて言った母。柏崎の吼える大波を前に、一歩も近づくことができなかった幼い日の私。一瞬のうちに小学生の息子を連れ去ろうとした、八丈島のオバケ波。灼熱のタヒチの海に、あざけるように漂っていたピンクのボート。歳月を経て、心のひだに深く刻まれた記憶の中の海の饒舌…。その気配を捉え、深い余韻を残すフォトエッセイ。
目次
白い波が崩れ、海鳴りが聞こえても、(白い波が崩れ、海鳴りが聞こえても、;静かな真夏 ほか)
海を見にいく(海を見にいく;黒島シャンソンを聞いておくれ ほか)
風の中の赤灯台(海の饒舌;ヘイマン島の朝 ほか)
オバケ波(オバケ波;絶望の島アムチトカ)
グンジョー色の女(グンジョー色の女;一番好きな場所)
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944(昭和19)年、東京生れ。東京写真大学中退。流通業界誌編集長を経て、作家、エッセイスト。「本の雑誌」編集長。『さらば国分寺書店のオババ』でデビューし、その後『アド・バード』(日本SF大賞)などのSF作品、『わしらは怪しい探検隊』シリーズなどの紀行エッセイ、『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)など旅と食の写真エッセイと著書多数。映画『白い馬』では、日本映画批評家大賞最優秀監督賞ほかを受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
51
気持ちは分からないが、まぁいいのではないかと思う。2019/02/28
東森久利斗
3
世界の海、日本の海、静かな海、荒々しい海、いろんな海、記憶の中にある海、それぞれの海。海との邂逅、海にまつわる遠い記憶、思い出、旅の1ページ。島、砂浜、漁港、桟橋、船、…、海のある風景、ともに生きる人々、海の旅人、一期一会な瞬間にフォーカス。椎名誠なフォトエッセイ、黎明期の作品。よもやの24年後の文庫化。モノクロも情緒があって良いが、やはり海はカラー、大判のフォトブックに限る。2023/01/03
はな
1
静かで、どこかさみしい海。なんだか分かる気がする。2014/12/12
go
1
寝る前に読むといい2014/06/14
moonset
1
ほぼモノクロームの写真と数ページのエッセイ。ただその繰り返し。登場する海は世界中どこでも。そして時々岳と犬。海とハンモック、という贅沢な休日のお供に是非。 2013/08/26