内容説明
新聞報道に対する批判は世にあふれている。しかし、第一線で活躍する現役記者が、政治ジャーナリズムの本質的欠陥を指摘した本書は、大反響を呼び、いまやジャーナリズム論の新しい古典となった。なぜ日本の新聞は面白くないのか、事実の検証能力に欠けるのか、金丸神話や小沢神話を創り上げてしまうのか…。政治を良くするために不可欠な、新聞蘇生の処方箋を提示する必読の書。
目次
政治は日に日にだめになって行く
「バイアス報道」の罪
派閥記者はジャーナリストになれない
サミット報道はなぜつまらないのか
「総理番記者」哀歌
国益を損ねる外交記事の“誤報”
金丸神話を創った新聞記者たち
日本の新聞がおもしろくない理由
かくもむなしき政治改革報道
善悪二元報道が生み出す虚構
「テレポリティクス」に翻弄された新聞
それでも変わらぬ政治報道
「思い込み報道」のケーススタディ
ものがいいにくい時代
「景気」も「コメ」も新聞は真実に迫れない
自己変革のための三つの提言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
9
問題とは本質であり現象の奥に隠されているのであって、誰かが問題化していることだけが問題だと鵜呑みにせぬ方がいい。確かに田勢でなければ衝いてくれなかった新聞の欺瞞は多い。「合意へ」「あす○○」という「前倒し報道」偏重。「初めて」の濫用。それらは記事の水増しであり、大きな見せかけであり、反動としての検証(本来これこそ最重要任務)忌避である(昨日の天気予報を検証する奴は誰もいない)。そしてこれは権力の誘導なのだが田勢の手はそこまで届かぬ。批判は己の手を汚さず他人にさせる。さらに「キングメーカー」「マッチポンプ」2023/05/27
teku
2
背表紙に書かれている「ジャーナリズム論の新しい古典」という言葉に、大いに納得。収録記事は17~8年前のものだけど、固有名詞を除けば、ほとんどズレが感じられない。2010/10/09
ぴーひゃらら
2
ジャーナリズムが変わらないのは、国民が報道や新聞の記事を鵜呑みにして、批判も何もしないことだと思います。特に自分も含めた学生が。2010/06/02