出版社内容情報
仲間たちとにぎやかな高校生活を送る英一のもとに、また奇妙な写真が届いた。謎の手がかりを探すうち、年上の女性、垣本順子との距離も近づく。だが父親の家出をきっかけに、心にしまい込んだ記憶と向き合うことに。それは四歳で亡くなった妹の風子のこと――。人のおろかさと温かさ、青春の煌めき、心に秘めた約束、そして生死を超える<想い>。すべてが詰まった優しさあふれるミステリー。
内容説明
仲間たちとにぎやかな高校生活を送る英一のもとに、また奇妙な写真が届いた。謎の手がかりを探すうち、年上の女性、垣本順子との距離も近づく。だが父親の家出をきっかけに、心にしまい込んだ記憶と向き合うことに。それは四歳で亡くなった妹の風子のこと―。人のおろかさと温かさ、青春の煌めき、心に秘めた約束、そして生死を超える“想い”。すべてが詰まった優しさあふれるミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
29
第3、4部収録。上巻では奇妙な写真について調査していくミステリー色が濃い話だと思ったが、下巻では英一の心の痛みを伴う成長を追っていく青春小説、小暮写眞館のルーツ、そして花菱家のそれぞれが4歳で天使になってしまったふうちゃんへの想いを持ち続けてきた事が明かされていく家族小説の色が濃い。子供の立場から考えることや、親としての義務以上に割り切れない感情がひたすら重かった。普段なら手に取らなかった家族を描いた長編だったが、新装版をきっかけに読むことができて良かった。2025/03/16
ソラ
8
【読了】B 普段こうした家族物は読まないのだけれど、さすがの宮部みゆきでとても良かった。2025/03/22
ふー
2
文庫になったのを機に宮部みゆきさんの本を久々に読みました。社会問題を織り交ぜたミステリー色も少しありつつ、登場人物が個性豊かで日常のやりとりが暖かくコミカルであったため読みやすく、とても引き込まれました。 向き合えないでいたかなしみに向き合う中で成長していく話に感じました。希望が感じられるラストで、また登場人物が思慮深く優しい人ばかりで読んでいて心が暖かくなりました。 宮部みゆきさんの本で一番好きです。 2025/04/06
ルイス
2
個人的に宮部みゆきの最高傑作。最終章では英一に感情移入して泣くのを抑えられなかった。初期の凄惨な事件ものも良いが、世の中で残酷な出来事が増えて来た事もあり、そういう話を書く意欲が減ったと言う話を聞いた。作家としてベテランになり、人が死なない話でもこれだけ面白く、読む手を止められない作品を出せるのは本当に素晴らしい。宮部さんが作家人生を終える時が来るまで追っかけていきたい。2025/03/25
無添
1
32025/05/31