内容説明
銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。
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歴史時々サスペンス本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
288
これが高村薫のデビュー作だなんて、驚きを禁じ得ない。小説の細部の彫琢は、全く新人作家のそれとは思えないからである。まさに、満を持して発表された長編だったのだろう。銀行の地下に眠る6トンもの金塊の、もちろんすべてを奪うことは不可能だ。狙うはそのうちの500kgーおよそ10億円相当。ここからが作家の想像力のすごいところだ。もしも、これを奪うとするならばという仮定から、細部をそれこそ細密なまでに積み上げてゆく。それはまさに現実の警備態勢をも脅かしかねないほどなのだから。2017/03/21
Tetchy
172
まず驚いたのはこの作家が女性だということだった。この緊密な文章で語られる男どもは特有のだらしなさも持ち合わせ、とても女性が書いたとは思えなかった。名前が似ている北村薫も女性と思ってて男性だったので、こんがらがった記憶がある。とにかく登場人物全てが排他的で個人主義的かつ自暴的。こんなメンバーで銀行強盗を計画する事自体、無謀なのだが微に入り細を穿つ構成で読者を納得させる。今でもあのラストといい、どうにも女性が書くような話ではないと思っているのだが・・・。2009/10/14
ehirano1
145
途中で断念、、、、、タイミングの問題なんだろうなと思ってます。近いうちににまた!2019/08/10
ゴンゾウ@新潮部
139
銀行強盗の話であるが、登場人物に多くのサイドストーリーが絡まりとても複雑な作品だった。映画を観ていたので何とかついていけたが観てなかったらもっと苦労していたと思う。北朝鮮のスパイや左翼運動家の攻防が入ってきて、とても成功するとは思えませんでした。スッキリできない作品だった。2015/04/11
KAZOO
126
何度目かの再読ですが、やはり読みごたえがあります。高村さんの著作はどれもそうですが、細かい部分も手を抜かない感じです。中盤までは登場人物(金塊を大銀行の地下室から盗む)のそれぞれの特技などが中心に語られます。たった6人の人間だけでこれだけ大掛かりなことができるのか、という疑問も持ちますが話に引っ張られて最後まで楽しめました。映画化されていたとは知りませんでした。見てみたい気がします。2024/08/24