内容説明
実用的なデザインで女性を窮屈な服から解放した世界的デザイナー、ココ・シャネル。だが本人の虚実混交の証言のため、その生涯には謎もなお多く残る。偽りの出自、数々の愛人たち。第一次大戦を契機とした事業の大成功、そして第二次大戦中の対独協力疑惑…。新聞記者である著者は、徹底した取材により新事実を明らかにし、激動の二十世紀史と重なりあう彼女の波乱の一生に迫る。
目次
シャネルが死んだ日
シャネルが生まれた日
生まれた町ソーミュールは騎兵学校の地
母親が死んだ日
シャネルの生まれた時代
オーバジーヌの孤児院
ココ！ココ！
ヴィシーでの運試し
自分の才能への目覚め
唯一愛した男、アーサー・カペル〔ほか〕
著者等紹介
山口昌子［ヤマグチショウコ］
産経新聞パリ支局長。慶應義塾大学文学部仏文科卒業後、フランス政府給費留学生として新聞中央研究所（ＣＦＪ）に学ぶ。産経新聞入社後、教養部、夕刊フジ、外信部次長、特集部編集委員を経て、１９９０（平成２）年５月より現職。’９４年にボーン・上田記念国際記者賞を受賞、２００１年にフランス共和国より国家功労賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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氷柱
9
423作目。8月7日から。帰省時に携帯したのだが手持の本を読みつくしてしまったので実質1周半読んでいる。フランスの戦前戦中史を交えたシャネルの伝記。ファッションの面から女性の解放を目指した話。時代毎に求められるものが違えど、シャネルの追求は常に鋭く、自己に求める要求も高く、各時代に受け入れられていくことになる。軍装の1つである雑のうからインスピレーションを受けたショルダーバッグが女性の手をフリーにし、女性の持ち物にも変化を与えたというくだりが象徴的であった。2018/08/10
くまこ
5
「世界史の本かな？シャネルが生きた時代、特に第1次世界大戦前後が面白かった。19世紀的なものを葬り去ったシャネルが20世紀の世界大戦を乗り越え、女性の新しい生活スタイルを創り出していく過程が、歴史小説みたいで楽しかったよ」「もう少しファッション解説が欲しかったな。シャネル・モードの説明をインタビュー形式でもいいから載せてくれたらよかったのに。著者は新聞記者さんだけど、女性のオシャレ目線があんまりなくて、全体的に堅い印象ね」2014/03/28
槙
2
再読。この本を読んで初めてシャネルのことをきちんと知ることができたと思っている。働き者のかっこいい女性で、ステレオタイプのフランス人の枠にはおさまってない。２０世紀のヨーロッパ史についても復習ができるし、とっても好きな本のひとつ。仏文学者の鹿島茂さんによる解説もおもしろい。2015/01/30
Gen Kato
1
シャネルのミニ伝記は英語の教科書で読んだなあと思い出しながらページを繰った。20世紀の女性たちの社会進出史と重なり合う生涯。2014/08/21
sayako_kyoto
1
魅力的な男性に愛されながらも毅然と自立した人間として職業人生を作っていった女性。注釈も多くて日仏の歴史の勉強にもなった。産経新聞がフランス報道に強いとは知らなんだ。2009/10/10
