出版社内容情報
あなたも最低。許せない――。高校二年生の鈴美は逆上した痴漢から守ってくれた比呂に感謝するが、予想外のきつい言葉を返され戸惑う。周りから浮くことを恐れる鈴美は、独りでも毅然とふるまう比呂と接するなかで次第に変化してゆく。だが比呂もまた、誰にも言えない悩みを抱えていて……。両親の離婚、中退した幼馴染み、壊れてしまった心。まばゆい出会いが胸に響く青春小説の新たな傑作。
内容説明
あなたも最低。許せない―。高校二年生の鈴美は逆上した痴漢から守ってくれた比呂に感謝するが、予想外のきつい言葉を返され戸惑う。周りから浮くことを恐れる鈴美は、独りでも毅然とふるまう比呂と接するなかで次第に変化してゆく。だが比呂もまた、誰にも言えない悩みを抱えていて…。両親の離婚、中退した幼馴染み、壊れてしまった心。まばゆい出会いが胸に響く青春小説の新たな傑作。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおい
12
電車で痴漢にあった鈴美を助けてくれたのは同じ学校の比呂。高校でうまくやっていくことに細心の注意を払っている鈴美は思ったことをズバズバ言う比呂に興味を持つ。少しずつ距離を縮めていく彼女達。自分の力ではどうしようもできないことの方が多いけれど自分を大事に一生懸命生きていこうとする強さを感じました。2024/10/05
フジッコ
6
様々な言葉の暴力の形。言葉は危険物、扱い方を間違えると、人一人を抹殺してしまうくらいの破壊力あるのに、誰もその事が分かっていない、考えて言葉を発していない。それはとても怖い事なんじゃないかなぁ。でも、自分ももしかしたら、何気なく言葉を発して人を傷つけているのではないかと考えると、立ちすくんでしまいそうになる。 難しいけど、無関心でいてはいけない大切な問題。あさのさんは、分かりやすい丁寧な文章でそれを教えてくれました。ありがとうございます。2023/05/07
海
5
鈴美は学校という集団生活の中で孤立することを恐れながらも、凛として誰にも媚びない比呂に憧れる。その気持ちはとてもよく分かる。物語の後半のテーマはパワハラ。特に言葉の暴力で壊れてしまう大人が描かれる。自分が女子高生のときにそんな大人を見てしまったら、どうしただろうか。鈴美と比呂みたいに、負けない、と思えただろうか。2024/05/15
kuma suke
4
大人たちの問題に正面からぶつかる主人公たち、えらいな…。大人になると目をそらしたり、ごまかしたり、そんな技ばかり身につけちゃうよな。2023/07/24
Hideo Itoh
4
紛れもない「青春小説」なので、68歳のじぃさんが感想を述べるなんて見当違いもはなはだしいのだが一言だけ。まわりからハブられたり、苛められたりしないよう、じぶんのホントの気持ちを封印して窮屈な生き方をしている中高生に是非とも読んでほしいとだけ書いておこう。あ、おとなになってもあるか・・・こういうこと。2023/07/21