新潮文庫
天皇陛下「生前退位」への想い

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101333748
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0136

出版社内容情報

平成28年8月8日。日本全土に激震が走った。天皇自身が直接国民に語りかけ、生前の譲位を提起する──。「平成の玉音放送」ともいうべきあのメッセージは何を意味したのか。明治、大正、昭和と、つぶさに天皇の姿を見つめてきた近現代史の泰斗が解き明かす。禁じられた政治行為か、個人的な考えの吐露か、平成はどんな終わりを迎えるのか……。天皇の痛切な想いを読むリアルドキュメント。

保阪 正康[ホサカ マサヤス]
著・文・その他

内容説明

平成28年8月8日。日本全土に激震が走った。天皇自身が直接国民に語りかけ、生前の譲位を提起する―。「平成の玉音放送」ともいうべきあのメッセージは何を意味したのか。明治、大正、昭和と、つぶさに天皇の姿を見つめてきた近現代史の泰斗が解き明かす。禁じられた政治行為か、個人的な考えの吐露か、平成はどんな終わりを迎えるのか…。天皇の痛切な想いを読むリアルドキュメント。

目次

第1部 天皇陛下「生前退位」の解読(「生前退位」への想い;「生前退位」が浮上した二つの理由;「生前退位」を大正天皇崩御から考える ほか)
第2部 天皇と国民の新たな回路のために(国民が共鳴した象徴天皇像;軍事主導体制とは相いれない象徴天皇制について考える;大正期、摂政制度の内実から天皇の生前退位を考える ほか)
第3部 平成とは何であったのか(天皇のご意思は満たされたか;私たちにとって天皇とは何か;天皇・皇后両陛下の「慰霊の旅」は何を語りかけているか ほか)

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939(昭和14)年、北海道生れ。同志社大学文学部卒業後、編集者などを経てノンフィクション作家に。著書多数、とくに昭和史、医療問題に関する作品に定評がある。2004(平成16)年『昭和史講座』の刊行で菊池寛賞を、’17年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

67
実はこの本の前本は読了済。しかしいよいよ平成が終わる、そして加稿も読みたく購入して読了。保阪氏は、平成の玉音放送だとして、終身在位の残酷さから解く。要は、あまり好きな概念ではないがどこまで人権的な概念を天皇という概念の中に織り込むのか、そこは戦後大改訂を経ていない皇室典範にも定めなく、近代天皇、つまり明治以降も範がないではないか。大正天皇は印離さず、摂政である昭和天皇にも渡さなかった。摂政・上皇の論議も表立ってなかった。摂政がいた大正の10年は空白ではなかったか等→2018/12/09

金吾

21
生前退位の部分はそうなのかと気づかされる部分もありましたが、やや冗長に感じました。第2章「天皇と国民の新たな回路のために」は面白かったです。2023/09/28

ふたば@気合いは、心を込めて準備中

6
時代が変わりゆくのに合わせて、伝統やそれに伴う習慣、考え方は少しずつ変わって行ってしかるべきと思う。昔、失敗するに至った制度も時が変われば、上手く運ぶことになる可能性を持っている。人は変わる。一度決めたことを、頑なに死守しようとする必要はない。しかし、変わりゆく中に、国の根幹をなす不変的な考えを持ち続けられなければ、国は成り立たない。どこから変化を容認できるのか、変えていけないものは何なのか、平成は後わずかで終了してしまうが、ぎりぎりまで、考え続ける必要があると思う。2019/01/31

アーミー

5
今上陛下がビデオメッセージで「生前退位」を国民に語られた。「平成の玉音放送」とまで言われたビデオメッセージでだ。日本国憲法に守られて「象徴天皇」となられた昭和天皇、そして今上陛下。その憲法が改正されようとされるタイミングでの「生前退位」を、著者は「政府に対するたった一人の反乱」といっている。政治に関与できない天皇の細やかな抵抗でもある。平成31年4月30日をもって平成の世は終る。自分のなすべきことを果たしたと思い、後は皇太子に託された今上陛下。本書を読み終えて、今上陛下は本当に慈悲に満ちた天皇だと思った。2018/12/31

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