内容説明
大国の興亡から友との別離、飲酒の宴、森羅万象を詠み込んだ膨大な唐詩の数々。古来、日本人の心を潤してきた唐詩を、著者の該博な知識をもとに、清明、七夕、秋雁、涼州詩など24のテーマにまとめ、唐代人の暮らしと彼らが感興をもよおす様を彷彿とさせる形で紹介する。名詩に終始せず、著名詩人の意外な詩や長く沈黙していた無名詩を甦らせる、意欲にみちた唐詩私選、240編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
67
陳 舜臣は、「本籍は台湾台北だったが、1973年に中華人民共和国の国籍を取得し、その後、1989年の天安門事件への批判を機に、1990年に日本国籍を取得している」「東洋史学者宮崎市定の門弟に師事、宮崎の孫弟子にも当たる」「初期の作品はミステリーが多」かったが、「1967年『阿片戦争』などから中国の歴史を題材にした作品を多く書き、日本における「中国歴史小説」ジャンルを確立し、多くの読者を持っている」とか(「Wikipedia」より)。2021/02/08
もも(5さい)
1
漢文の授業は睡眠時間に充てていた口なので、覚えているのは『年年歳歳花相似』くらい。気の利いたフレーズを思い出したいと思い手に取った。『葡萄美酒夜光杯』は高校のときにはふーんだったけど、飲むようになってから読むと『君莫笑』が深い。千年経っても人は出会って別れる。戦が絶えないのも同じ。唐代に詠まれていた『古來征戦幾人囘』が今でも心を打つ。ショート動画がバズるのと同じ勢いで、数十字にで濃縮した思いを共有していたのかも。1980年代にこの膨大な文献をどうやって整理していたのか。陳舜臣先生の博覧強記が光る。2025/01/17
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