内容説明
銚子の醤油醸造商の娘として生れたおりん。だが、度重なる悪事から家を追い出され、追分の宿場女郎となった。その後、美貌を武器に親分の情婦におさまったおりんは、自分の殺人現場を三度も目撃した紋次郎を、謀って亡き者にしようとするが…。極悪人となり果てた女の末路を描く表題作のほか、飄々として骨のある渡世人、赤岩の甚八と辿る東海道中「振られて帰る果報者」など全6編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんぶん
19
【図書館】文庫じゃないけど、出て来ないので仕方が無い。 帰って来た紋次郎シリーズ5弾である。 旅の中で出会う渡世人の末路が多くなってきた、それと比較して紋次郎の生き方を、自ずと考えてしまう。 水の流れの様に身を任せる紋次郎であるが、やや心に引っかかりが現れたような感じの短編が多い。 そろそろ疲れが現れる盛りを過ぎた紋次郎の描写が多くなる一篇である。2021/07/27
クジラ
1
昔に笹沢佐保の小説を読んでいまいちだった印象があり、それ以来ほとんど手にとっていなかったが、縁あって読んでみた。そもそも木枯らし紋次郎って名前だけしっていたが、シリーズものだったということや、かなり「型」がはっきりしているヒーローものなんだ、ということを初めて知った。仮面ライダーや水戸黄門に似たノリで大衆娯楽として楽しめるなぁと感じた。2011/12/24
ゆきまる
0
こんなハードボイルドな時代物があることを認識した。2016/09/15
イチコ
0
年老いた紋次郎もそろそろ別れが見えて来た。 全体的に紋次郎らしいほろ苦い終わり方の作品が多いけど、やはり以前と変わって紋次郎が人情的というか、相手に真っ当に好意を抱いたりするところに変わったなぁと思う。2023/07/12