新潮文庫
身体から革命を起こす

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101326511
  • NDC分類 789
  • Cコード C0175

内容説明

「捻らない、タメない、うねらない」これまでの常識を覆すその身体技法は、まさに革命である。武術家・甲野善紀が、武術、スポーツのみならず、音楽演奏や介護にまで変革をもたらしたのは何故か?古武術の探求をはじめとする甲野の現在とは?「ナンバ」に代表される日本人古来の身体の使い方など、西洋的身体観では説明できないその術理は、もはや我々の思考方法にまで転換を迫る。

目次

第1章 ナンバ的身体の衝撃
第2章 武術的な動きとは、どのようなものか
第3章 スポーツと工学
第4章 日本人はどのように歩いていたのか
第5章 異分野からの挑戦者たち
対談 動くことと考えること(養老孟司・甲野善紀)

著者等紹介

甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949(昭和24)年、東京生れ。武術を基盤とした身体技法の実践研究家。’78年に武術稽古研究会(’03年、発展的に解消)、松聲館を設立。「捻らない、タメない、うねらない」という独自の技法と理論に基づいて武術を研究・指導している。その身体操法は、武術やスポーツのみならず、楽器演奏、舞踊、介護医療など他分野への応用がはかられている

田中聡[タナカサトシ]
1962(昭和37)年、富山県生れ。富山大学文学専攻科修了。一年半の会社員生活の後、フリーランスライターとなる。明治大学情報コミュニケーション学部にて非常勤講師として「身体コミュニケーション」を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ボルボン

16
甲野さんの生み出した身体の動きは、スポーツ、楽器演奏、介護、精神の分野にまで及んでいる。およそ身体と関わりのあるものだったら、甲野さんの身体技法は役に立つのかもしれない。脳は身体のフィードバックを受けているので、精神ですら身体と関わりのあるものとみなすことができる。となると人間すべてですよね。身体性の重要さをいただきました。しかし。ちょっと走って汗を流した程度じゃ身体感覚なんて言わないらしいです。身体をブロック毎にわけ、それらを動かせるようになること。これが身体性の獲得らしいです。すぐには無理そうですね。2016/07/14

ひろ☆

16
いつもの甲野さんだけではなく、田中さんが聞いたことを書いているので、客観的で新鮮だった。身体の使い方、奥が深い。2015/09/08

baboocon

12
超速読で読了。甲野善紀さんの本は何冊か読んでいるが、10年前に書かれた本ながら興味深い。昔の日本人が使っていたという「ナンバ」歩行については甲野さんは否定的なのか。とはいえ、日本人が西洋式の軍隊を導入して「文明開化」していく課程でかつては普通の日本人にも残っていたある種の身体感覚が失われてしまったというのはあるんだろうな。甲野さんは「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんと同じ1949年生まれ。共に現代科学に疑問を投げかけ科学の観点からは信じられない業績を上げている二人が同年齢というところに不思議な偶然を感じる。2017/01/30

忍者

6
身体で考える哲学というか未知への挑戦というか、理解できないが腑に落ちたというか、身体と好奇心と過去への旅というような内容です。 私たちが忘れてしまったが、忘れていない身体の動かし方と、そこへ向かう試行錯誤?というべきか。私たちの身体と精神は密着していて、かつ自由で謎が多いということを考えさせられました。2015/03/11

Sugi Takahiro

5
甲野氏の術理もすごいが、その言葉を超えた術理を、言葉の集積物である本にして、読者に言葉以上の物を感じさせる田中聡氏もすごい。 上質な小説のような文章により、ただのきれいごとを言う指導とは全く異質な感覚を得られる。 身体は空洞ではなく実のあるもので、思考も身体の副産物であるのだ。2016/05/17

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