出版社内容情報
外務省職員の殺害、悪質なひき逃げ、厚労省麻薬取締官との軋轢……同時発生した幾つもの難題が、大森署署長竜崎伸也の双肩に。
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が隣接署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練――闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。
内容説明
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練―闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955(昭和30)年北海道生れ。上智大学在学中の’78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006(平成18)年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、’08年、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
568
シリーズ第4巻。大森署署長、竜崎のさらなる活躍を描く。端的に言うと痛快である。それは、自分たちがしたくてもできないことを彼がいとも易々とやってのけるからだろう。しかも、彼の言うことや為すことは立派に筋が通っているのだから。我々はついついそれができないのが世の中と、逃げ口上に走ってしまうのだから。さて、今回の事案は省庁の枠を大きく踏み越えて行くもの。そもそも警察内部にさえ、例えば刑事と公安のような対立があり、まして他の省庁とは上下関係まであるようだ。そこに見事な風穴を開けて行ったのが竜崎である。2022/07/08
ehirano1
372
ミスター原則の竜崎の人間味がさらに増した作品でした。当方も実生活において局面に立った時、竜崎だったらどうするかな?と思うようにまでなってしまいました。2018/01/08
ノンケ女医長
283
外務省と厚労省が登場する。警察行政がいかに他省庁に巻き込まれ、一筋縄ではいかないものなのか、ため息をつきながら読んだ。横柄な口調で、平気で大森署長を呼びつけようとする厚労省麻薬取締部・矢島滋の強烈な性格。同部職員が全員こうじゃないと信じたいけど、国を滅ぼす違法薬物を根こそぎ取り締まるためには、彼のような神経が必要なのかもと納得した。きちんと自分のペースで仕事を成し遂げる竜崎警視長の冷静さと頑固さに、今回も胸が空いた。2022/12/12
ミカママ
279
竜崎節は健在なのだけど、読むのに時間がかかったな。内容がコロンビアだとかカルテルだとか、馴染みの薄いものだったせいかしら。このシリーズで私の好きなのは、階級にこだわる警察官や役人たちが、竜崎の階級を知らずに、ぎゃふんとしてやられる、という水戸黄門的なシーン。今回も伊丹刑事部長との掛け合いで堪能させてもらいました。つくづく、竜崎のように淡々と生きられたらいいだろうな、と羨ましくなる。もちろん実力あってこその自信なんだけどね。2015/05/17
stobe1904
263
【隠蔽捜査④】外務省職員の殺害、悪質なひき逃げ事件、連続放火事件と次々と起きる事件に竜崎は直面するが…。警察の部門間だけでなく、厚労省、外務省、公安との軋轢をブレずに持ち前の原理原則をベースに合理性で周りを巻き込み、動かし、さばいていく竜崎の手際はこの作品でも気持ち良い。このシリーズは、平時よりも色々な事で疲弊したり、元気がない時にパワーをもらうために読むようになりつつあるなと実感。次作も楽しみ。★★★★★2023/09/16