新潮文庫<br> マリアージュ・マリアージュ

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新潮文庫
マリアージュ・マリアージュ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101313337
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった――。幸福も不幸も与え、男と女を変え得る“結婚”。その後先を巡る六篇。

キスをして抱きしめられ、初めて普通の状態になれたあの頃。今の私は年下の彼に、昔の自分を重ねてしまう(「試着室」)。私の性を抑圧し続けてきた、私に対して1ミリも動かなくなった彼の性器に、今、私は復讐をした(「ポラロイド」)。他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった(「献身」)。幸福も不幸も与え、男と女を変え得る愛と結婚の、後先を巡る六つの短篇。

内容説明

キスをして抱きしめられ、初めて普通の状態になれたあの頃。今の私は年下の彼に、昔の自分を重ねてしまう(「試着室」)。私の性を抑圧し続けてきた、私に対して1ミリも動かなくなった彼の性器に、今、私は復讐をした(「ポラロイド」)。他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった(「献身」)。―幸福も不幸も与え、男と女を変え得る愛と結婚の、後先を巡る六つの短篇。

著者等紹介

金原ひとみ[カネハラヒトミ]
1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。’10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、’12年『マザーズ』でドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

363
6つの短篇を収録。タイトルからも明らかなように、6つを貫流するキー・コードは結婚だ。金原ひとみの作品はまだ4作目なので確かなことは言えないのだが、この作品集はこれまでに私が読んだものとは違って、異質な感じがする。異質と言ったが、むしろ普通感がするのだ。つまり、金原ひとみに独特の(と私が思う)ある種の毒気というか、日常の突き抜け感がないのだ。目隠しテストをしたとすれば、私にはこれらが金原作品だとは見破れないだろう。筆力はあると思う。だから、小池真理子あたりを想起したかもしれない。 2019/06/27

さてさて

155
“マリアージュの成功と失敗。どちらに転ぶか、それは誰にもわからない”。『結婚』の行く末がどのようになるかはもちろん分かりません。傷つき、傷つけられ、そして傷つける。それこそが『結婚』=「マリアージュ」です。この作品にはそんな「マリアージュ」に前後する六つの物語が収録されていました。〈仮装〉の物語に、育児のリアルを見るこの作品。結末に見るプチ・どんでん返しが予想外な感情を喚起もするこの作品。金原ひとみさんとしては珍しく、大人しめに描かれていく物語に、窪美澄さんの〈解説〉が絶妙にマッチする、そんな作品でした。2025/07/29

りゅう☆

110
年下の彼氏を昔の自分と重ねた『試着室』、不倫を続け現実逃避してる自分がよく分からない『青山』、セックスレスの彼氏の友人と体の関係を持ち、愛おしいけれども終わりあることに気付く『ポラロイド』、幼き娘を残し妻に出て行かれ仕事家事育児との両立に憤り感じるもやっと現実を見据えた矢先に…『仮装』、婚約者と親戚の関係に妄想が膨らむ『婚前』、冷え切った関係の夫と不倫相手と本当は一体誰を愛してるのか分からなくなる『献身』。恋愛に不安、疑問、苦悩、希望、混沌さを抱くも今ある現実に身を任せて生きるグレーな恋愛観を魅せられた。2017/04/22

ゴンゾウ@新潮部

104
金原ひとみさんの描く作品は非日常的な世界でありながらとてもリアリティを持っている。登場人物たちの描写が生々しくそして容赦なく欲情的で目の前にいるかのようである。そして倫理とか道徳でははめられない男女の感情を本能のままに描いている。だからずんずんと心に突き刺さってくる。彼女の作品に惹かれてる。2018/06/09

ゆいまある

97
短編集。マザーズの後に書かれており、作者が育児に疲弊し、夫との関係も変化した頃の作品と思われる。不倫してるカップルが、女性が極めて裕福で社会的に成功した既婚者で、男性は若くて180cm超えのモデル体型というパターンが多く、これは作者の願望そのまんまと思われる。女性が理想化され過ぎてるし。欲しいものが手に入らず苦しみ足掻く話ではなく、不倫しちゃって恥ずかしいと言わんばかりのさらりとした表現ですぐに退屈した。マザーズとこれは金原ひとみ作品の中でも印象が薄いなあ。2022/09/02

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