出版社内容情報
ガセ、リーク、暗闘、だまし討ち等々、権謀術数渦巻く経営上層部人事。取材に裏打ちされたリアルな筆致で描く傑作経済小説八編。
入院中の社長の阿部は、後任を江口と定めたが、江口は固辞して一期下の大谷を推した。後任人事決定前に阿部は没した。江口は社長の遺志だと大谷を口説くのだが(「社長の遺志」)。会社更生法の申請をした商事会社で四十五歳の取締役が誕生した。人事部長兼務である。しかし、使命は減員計画の推進であった(「人事部長の進退」)。リアルな筆致で人事という心理戦を描いた傑作八編。
内容説明
阿部社長は、後任を江口常務と定めたが、江口が固辞して一期下の大谷を推すうち、阿部は没してしまう。江口は社長の遺志だと大谷を口説くのだが…(「社長の遺志」)。四十五歳の若き取締役が誕生した。人事部長兼務である。しかし、翌年、会社更生法の適用を申請した。つまり彼の使命は減員計画の推進だったのだ(「人事部長の進退」)。―リアルな筆致で人事という心理戦を描いた傑作八編。
目次
社長の遺志
新聞辞令
一時左遷
人事部長の進退
社長留任宣言
銀行人事部〔ほか〕
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939(昭和14)年、東京生れ。化学専門紙記者、編集長を経て、’75年「虚構の城」で作家デビュー。以来、経済界全般にわたって材を得て、綿密な取材に裏打ちされた問題作、話題作を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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誰かのプリン
21
やはり社長人事ともなると色々諸事情があるんだな。2019/04/30
ドッケン
15
人事モノは仕事のためになります。今回も身につまされる物語でした。2023/04/26
コロンボ
13
高杉良の経済小説短編集。高杉氏の作品は長編が好みだが、本作は傑作集として集められたモノというだけあって結構面白い。「人事」にまつわるある一時点を切り取ったリアル感満載の8編。会社という組織において、人事権を持っている者が、一番強いのか。誰もが人事権を持ちたいと暗躍する。人事権は人を変える。人事権の持つ恐ろしさを感じた。時代背景は昭和のサラリーマン時代劇なれど、今に通じるところもある。2021/07/18
スプリント
12
会社務めをしてそこそこのキャリア積むと避けては通れない人事の話。 ここでとりあげられている話は企業のトップ人事なので無縁な世界ですが。2022/03/06
4丁目の父ちゃん
12
経済小説の短編集 久しぶりに高杉良さんの作品を読ませていただいた どれも昭和時代のお話だが中でも「労組管理会社」はちょっと興味を持つ モデルはどこの会社だろうか? 御用組合とはよく聞くが、御用会社なんてあるんだろうか?2016/07/24