新潮文庫
少年リンチ殺人―ムカついたから、やっただけ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101300528
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0195

内容説明

長野県の狭い地域で、相次いで起こったリンチ殺人。弟を守るため、ろくに顔も知らぬ少年八人になぶり殺された宮田君。三カ所を連れ回されながら十五人の暴行をうけ絶命した百瀬君の遺体には、小便がかけられていた。残忍な犯行事実は少年法の聖域に消え、さらに子の罪を認めぬ親の言動に、遺族は際限なく苦しむ。少年犯罪の理不尽を告発する慟哭のノンフィクション、増補改訂版。

目次

第1部 少年リンチ殺人「ムカつくから、やっただけ」(父よ母よ息子よ;隠された現場;この世の修羅;逃走と死と;親である罪;終りなき喪;知られざるまま)
第2部 また少年が殺された―続発するリンチ殺人(子の無念;連鎖する暴力;一万円の命;軌跡の果て;無間地獄;暴発の理由;悪夢の断片;無知という罪;うちの子に限って;更正のために)

著者等紹介

日垣隆[ヒガキタカシ]
1958(昭和33)年、長野県生れ。東北大学法学部卒業。「『買ってはいけない』はインチキ本だ」(文春文庫『それは違う!』所収)で文藝春秋読者賞、「辛口評論家の正体」(文藝春秋『偽善系2』所収)で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞、『そして殺人者は野に放たれる』で新潮ドキュメント賞を受賞。メールマガジン「ガッキィファイター」ほか、ラジオ、テレビでも旺盛な活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

258
ただひたすら怒りとやるせなさしか残りません。暴力を肯定し、他人を従わせる為の、自分を格好良く見せる為の、欲望を満たす為の道具として日常的に振る舞う鬼畜ども!少年法という鎧に守られ、個人情報を晒されずにすむ鬼畜どもが、軽すぎる刑と弁護士のフォロー、薄っぺらな反省文で更正できる訳がない‼️無惨に人を殺め、その動機が『ムカついたからやっただけ』という鬼畜ども!一体いかほどの鬼畜どもが今我々の身近に野放しにされているのか?法は、責めるべき犯罪者を守り、犠牲となった遺族を責めるのか⁉️微塵もお薦めできません‼️🙇2019/07/08

MURAMASA

30
『そして殺人者は野に放たれる』を以前に読んだとき、ルポルタージュでありながら、視点の公平さよりも、心神耗弱によって減刑される殺人犯の存在に対する憤りを感じさせる筆致に、引きつけられました。本著は集団リンチの末に殺人を犯してしまった二つの事件から、裁かれるべきものが裁かれずにいることがどんなに間違ったことなのかを訴えています。特に第二部末尾の少年の手紙を引用する部分に至って、その思いを強く感じました。冒頭で語られる「恐怖のポーカー」は、日々子どもたちと接する自分にとっては、教訓としたいものでした。2010/02/13

ジョニーウォーカー

24
自分が被害児童の親だったら、きっと加害児童を殺しに行っていると思う。それほど少年法というものの理不尽さ、加害者側の人権ばかりが守られた悪法ぶりを浮き彫りにしたノンフィクション。一人の人間を、顔の原形をとどめぬほど暴行し続け、しまいには小便までかけて放置した少年たちの「将来」などに、本当に配慮する価値なんてあるんだろうか? 少年刑務所から両親に宛てた手紙の中で、被害児童の父親を「ムカツクわーあのハゲ!」などと綴る少年に、本当に「更生」の余地なんてあるんだろうか? ねえ教えてよ、大江健三郎さん…?2010/12/13

Maiラピ

15
この本を手に取った理由は今年2011年の3月、今回の大震災が起こる一日前に『木曽川長良川連続リンチ殺人(奇しくも阪神淡路大震災が翌日起こり事件はあまり知られず)の少年被告3人に死刑判決』というニュースを知り、その後7月21日にNHKのヒューマンドキュメンタリー「死刑〜被害者遺族・葛藤の日々〜」江崎さんという被害者の両親の17年間に及ぶ死刑を巡る葛藤の日々に闇を見たからです。番組は死を死によって償わせることへの葛藤で本著書とは直接関係はないのだけどれ。三人に死刑や実名報道、少年法等も変わりつつあるのかな。2011/07/27

ぱどり

13
リンチの様があまりに壮絶で、それを「面白そうと思った」というような彼らを全く理解できなくて、めまいがした。2019/01/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/544294
  • ご注意事項